手の運動機能を持たない脳領域に人工神経接続システムを使って、新たに運動機能を付与することに成功
手の運動機能を持たない脳領域に人工神経接続システムを使って、
新たに運動機能を付与することに成功
NIPS 生理学研究所
2019年10月16日 プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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概要
公益財団法人 東京都医学総合研究所
(東京都世田谷区、理事長:田中啓二)
脳機能再建プロジェクトの西村幸男 プロジェクトリーダー
(元生理学研究所、元京都大学)と
加藤健治(元生理学研究所、現国立長寿医療研究センター)
らの研究グループは、手の運動機能を持たない
脳領域に「人工神経接続システム」を使って、
新たに運動機能を付与することに成功しました。
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今後の展望
我々は以前の研究で、脊髄損傷モデル動物の
麻痺した手について、脳と脊髄とを繋ぐ
人工神経接続システムでその運動機能を再建すること
にも成功しています
(Nishimura et al., Frontiers in Neural Circuits, 2013)。
本研究では、脳自体を損傷した脳梗塞モデル動物にも、
この人工神経接続システムが随意運動機能再建に有効であり、
人工神経接続システムが切れてしまった神経経路の代わり
になることを示すことができました。
また、以前の研究で、人工神経接続システムを自由行動下で
利用すると健常な動物の脳と脊髄との繋がりを強化できる
(Nishimura et al., Neuron, 2013)ことも示しています。
今後は、長期間の人工神経接続システムにより、
脳損傷・脊髄損傷から免れた神経の繋がりを強化し、
人工神経接続システムがなくても身体を自分の意志で
動かせるように回復できるかどうかを検証する必要が
あります。
また、今回の成果と我々のこれまでの成果は、
モデル動物で人工神経接続システムの有効性を示す
ことができました。
これを脳梗塞患者と脊髄損傷患者で検証することが
次の課題です。
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脳梗塞患者と脊髄損傷患者の有力な治療法になりそう
です。
大いに期待したいと思います。
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