緑内障発症の新たな分子メカニズムを発見 -P2Y6受容体機能低下が眼圧上昇を引き起こす-
2017年10月 5日
NIPS 生理学研究所プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
---------------------------------------
概要
山梨大学医学部薬理学講座
小泉修一教授及び篠崎陽一講師の
研究チームは、
山梨大学医学部眼科学講座
柏木賢治准教授、
(公財)東京都医学総合研究所
視覚病態プロジェクト
原田高幸参事研究員、
生理学研究所分子神経生理部門
大野伸彦准教授(現自治医科大学)、
ブリュッセル大学 Bernard Robaye教授、
国立病院機構東京医療センター
臨床研究センター分子細胞生物学研究部
岩田岳部長のチームと共同で、
眼圧をコントロールする新しいメカニズム
を発見しました。
研究チームは、マウスを使った実験
によって「細胞外ヌクレオチド[1]」と
その「受容体[2]」であるP2Y6受容体が
眼圧のコントロールに重要であること、
またP2Y6受容体の欠損によって
眼圧が上昇し、「緑内障[3]」に類似した
症状を引き起こすことを発見しました。
この発見により、本受容体の機能低下が
緑内障発症リスクを上昇させる
原因の1つである可能性が示されました。
---------------------------------------
眼圧上昇を起こさせる原因の新たな
分子メカニズムを発見したとのこと。
残念ながら正常眼圧緑内障に対する
治療法には繋がらないようです。
とは言え、緑内障患者は多数存在し、
眼圧低下に効果のある目薬は現在でも複数
存在するとは言え、その効果は永久という
わけではありません。
と言うわけで、新たな点眼薬の開発には
意味があるのです。
>今回の結果より、P2Y6受容体が
>眼圧を低下させる作用があることが
>明らかとなりました。
>従って、P2Y6受容体を効果的に
>活性化する、または発現を上昇させる
>薬剤が緑内障の治療ターゲットとして
>有望であると期待されます。
期待したいと思います。
| 固定リンク
« ヒトiPS細胞および分化心筋細胞における新規二次元大量培養法の確立に成功―心臓の再生医療の実現化を大きく加速― | トップページ | 細胞内の不要物を識別して分解する仕組みを解明 -Rab35はオートファジー受容体を制御する- »
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント