分子を透過させる膜からなる糖鎖ベシクルを開発 -がん組織周囲で抗がん剤を合成する医療用ナノデバイスの実現に前進-
2017年07月25
京都大学研究成果
詳しい研究内容については こちら
---------------------------------------
本研究成果のポイント
・オリゴ糖とポリプロピレングリコール
からなる両親媒性ポリマーが、
物質透過性を示す糖鎖高分子ベシクル
を形成することを初めて明らかにした。
・酵素を封入させた糖鎖高分子ベシクル
は、血中投与によりがん組織周囲に
集まり、その場で酵素反応により
抗がん剤を合成、放出する
医療用ナノデバイス
(ナノファクトリー)として機能し、
抗腫瘍効果をもたらすことを
マウスで明らかにした。
・疾患部位で薬を合成する技術は、
より優れた治療効果、
低い副作用をもたらす医療技術に
つながることが期待される。
詳しい研究内容については こちら
---------------------------------------
>このベシクルは血中投与により
>生体内のがん組織周囲に集まり、
>プロドラッグを抗がん剤へと変換し、
>優れた抗腫瘍効果を示すことを
>マウスで実証しました。
素晴らしいです。
今までなかった全く新しい薬が
できるかもしれませんね。
>ナノファクトリーによる治療の概念は、
>2007 年の Nature nanotechnology 誌で
>他の研究者グループから提案されて
>いましたが、これまで実際に
>ナノファクトリーとして機能する
>材料の報告はなく、今回開発した
>高分子ベシクルが世界で初めて
>ナノファクトリーを実現した材料と
>なります。
実際に役立つ薬として世に出てくる
ことを、大いに期待しています。
| 固定リンク
« 遺伝子診断ネットワーク「LC-SCRUM-Japan」における研究成果により、ROS1融合遺伝子陽性の肺がんに対する治療薬と診断薬が保険適用として承認 | トップページ | タンパク質合成の正確性を保証する品質管理の新機構 リボソームに目印をつけて異常タンパク質を分解する新規複合体の発見 »
「医療関連ニュース」カテゴリの記事
- iPS細胞由来の免疫キラーT細胞を用いることで悪性リンパ腫の治癒に成功〜難治性NK細胞リンパ腫に対する新規細胞治療法へ期待〜 (2019.10.14)
- 炎症反応を強力に抑える活性イオウ誘導体の開発に成功(2019.04.16)
- 皆保険制度の国で在住外国人に健康格差の懸念 ~ 富裕層対象の医療政策導入で悪化の恐れ日本人医師グループが英医学誌で注意を促す ~(2019.03.13)
- 脳腫瘍に対するウイルス療法の医師主導治験で高い治療効果を確認―日本初のがん治療ウイルス薬の製造販売承認申請へ―(2019.02.18)
- 国内初の医師向けオンライン診療手引書が完成 -安全で質の高い遠隔医療の普及に向けて-(2019.01.13)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント