« 細胞を高度に見分ける新合成技術-細胞表面上の有機反応で高選択的な細胞認識を実現- | トップページ | 「血液1滴から13種のがん発見」、実用化へ動きだす »

2017年8月 3日 (木)

FOPにおける骨化を抑える方法の発見 ~FOPの異所性骨形成のシグナル伝達メカニズムの解明~

2017年8月1日
京都大学iPS細胞研究所CiRA(サイラ)
研究活動
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
要旨
 
 日野恭介研究員
(CiRA増殖分化機構研究部門、
  大日本住友製薬株式会社)、
戸口田淳也教授
(CiRA増殖分化機構研究部門)、
池谷真准教授
(CiRA未来生命科学開拓部門)
らの研究グループは、
FOP患者さん由来のiPS細胞を使い、
FOPの異所性骨形成のメカニズムを
解明し、治療薬候補を見出しました。
 
 これまでの研究からFOPはACVR1注5)
という遺伝子の突然変異がおこっており、
そこにアクチビンAの刺激が加わると
異常な骨形成シグナル(BMPシグナル)が
伝わり、異所性骨化が生じることが
わかっていました。
 
 本研究ではアクチビンAの刺激から
なぜ異所性骨化が生じるのか、
その分子メカニズムを解明するとともに、
治療薬候補を探索するために、
FOP患者さん由来の細胞から作った
iPS細胞を利用し、
ハイスループットスクリーニング注6)を
実施しました。
 
 約7,000の化合物をスクリーニングし、
mTORシグナルが重要であることを
突き止めました。
 
 また、異所性骨化のモデルマウスでも
mTORシグナルの重要性を確認しました。
 
 さらに、ACVR1変異とmTORシグナルを
結びつける分子として、
ENPP2を同定しました。
 
 これらの結果から、
FOPの異所性骨化は、アクチビンA、
ACVR1、ENPP2、mTORの経路が
主要因であることがわかりました。
 
 また、骨化を抑えるためには
ラパマイシンという薬剤が有効である
可能性を示しました。
 
 この研究成果は2017年7月31日16時
(米国東部時間)に
「The Journal of Clinical
  Investigation」で公開されました。
---------------------------------------
 
 素晴らしい。
 
  iPS細胞の面目躍如というところ
でしょうか?
 
 iPS細胞誕生直後からの
待ちに待った成果です。
 
 
 既存の薬のようです。
 適応薬として早期承認され
早く使えるようになると良いですね。

|

« 細胞を高度に見分ける新合成技術-細胞表面上の有機反応で高選択的な細胞認識を実現- | トップページ | 「血液1滴から13種のがん発見」、実用化へ動きだす »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: FOPにおける骨化を抑える方法の発見 ~FOPの異所性骨形成のシグナル伝達メカニズムの解明~:

« 細胞を高度に見分ける新合成技術-細胞表面上の有機反応で高選択的な細胞認識を実現- | トップページ | 「血液1滴から13種のがん発見」、実用化へ動きだす »