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2017年7月26日 (水)

『筋シナジー説』の神経基盤を解明-手指の多彩な運動を実現する神経メカニズムが明らかに-

2017年7月25日
国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 国立研究開発法人 国立精神・神経医療
研究センター(NCNP)神経研究所
モデル動物開発研究部の武井智彦室長
(現カナダ・クィーンズ大学研究員)と
関和彦部長らの研究グループは、
霊長類の特徴である手指運動の多機能性を
支える神経メカニズムを発見しました。
 
 ヒトを含めた霊長類の手は大変複雑な
構造をしており27個の筋と18個の関節から
構成されます。
 
 私たちの脳神経はこの複雑な構造を
うまく制御し、ピアノ演奏や手話など
手の多彩な動きを可能にしています。
 
 しかしその制御のあり方はこれまで不明
でした。
 
 筋や関節の組み合わせパタンは膨大で、
次世代コンピューターの処理能力を
遥かに超えた計算を瞬時に行う必要が
あるからです。
 
 他方、ロボットハンドの開発をめざす
工学分野では「筋シナジー」と呼ばれる
考え方が提唱されてきました。
 
 つまり、多数の筋や関節の中から
「よく使われる」組み合わせと
その時必要な活動パタンを
あらかじめ複数作っておき(シナジー)、
実際にロボットを動かす際は
適切なシナジーを使うことによって、
コンピューターにかかる制御の負荷を
大幅に減らすことができる、
という考え方です。
 
 今回私たちはこの「筋シナジー」に
注目し、「霊長類の脳神経は、
筋シナジーの原理にもとづいて、
膨大な数の筋肉や関節を制御している」
という仮説を立てサルの脊髄から
神経活動の記録をとり検証しました。
 
 まず、筋電図の解析からサルの
手の運動は3種類の筋シナジーによって
作られていることが分かりました。
 
 次に、脊髄神経もこの3種類の筋の
組み合わせと活動パタンを表現している
ことが初めて明らかになりました。
 
 さらに驚くべきことに、筋の組み合わせ
と活動パタンはそれぞれ別のメカニズムで
作られることが判明しました。
 
 これは、シナジーの組み合わせと活動を
一体化して考える従来の仮説では
説明できない結果です。
 
 今回の研究成果は、脳による身体の制御
が筋シナジーに基づいて行われていること
を世界で初めて示したものであり、
脳の疾患による運動失調の理解や
そのリハビリテーション、
またロボットの制御技術の開発などが
大きく進展すると期待されます。
 
 本研究成果は、2017年7月24日午後3時
米国東部時間(日本時間2017年7月25日
午前4時)発行の米国科学雑誌
「Proceedings of the National Academy
  of Sciences of the United States of
  America (PNAS)」に掲載されました。
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 「筋シナジー」ね~、
 
 
 
>本研究によって、運動制御に使われて
>いると考えられてきた「筋シナジー」の
>脳内表現の一端が初めて明らかに
>なりました。
 
>今後、この研究成果を土台として、
>様々な研究成果が生み出されると
>予想されます。
 
>また、工学等の分野では、
>筋シナジー仮説を改定し、
>さらに上記の基礎研究の結果を
>取り入れることによって、
>より複雑な動きができる
>ロボットの開発が可能になります。
 
 
>脳卒中のように、複数の関節を
>協調して動かすことができなくなる障害
>や疾患(運動失調など)は
>数多く存在します。
 
>本研究の結果は、このような運動失調が
>「筋シナジー」を作り出す神経系の異常
>によって引き起こされることを
>示しています。
 
>今後、患者さんの「筋シナジー」を
>計測し、それを診断や治療に用いる、
>全く新たな治療やリハビリテーション法
>の開発が始まることが期待されます。
 
 
 今回の研究から全く新たな治療や
リハビリテーション法の開発が始まる
ことを、心から期待したい。

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