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2017年7月21日 (金)

細菌感染症の診断に応用可能な迅速なゲノム解析システムの開発に成功―細菌種の同定時間を大幅削減。ポータブル化により災害現場や感染症多発地域での活用にも期待―

2017年7月20日
東海大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 東海大学 医学部基礎医学系 教授
今西 規〔いまにし ただし〕を
中心とする研究グループは、
ポータブル型のDNAシーケンサ「MinION」
(Oxford Nanopore Technology社製)に
応用可能なゲノム解析システムを開発し、
16S rRNA遺伝子をPCR増幅して
配列決定することにより、
細菌感染症試料に対する細菌の同定を
2時間以内で行うことが可能であることを
示しました 。
 
 従来から特定の細菌を検出するシステム
はありましたが、このほど開発に成功した
本システムは、ゲノム配列データベースに
登録されている8万以上の細菌種・系統を
特定できる能力を有している点が、
従来のシステムとの大きな違いと
言えます。
 
 本研究は、国立研究開発法人
日本医療研究開発機構(AMED)の
感染症研究国際展開戦略プログラム
(J-GRID)等の支援により行われました。
 
 なお、本研究成果は平成29年7月18日
(火)午前10時(イギリス時間)、
オンラインジャーナル『Scientific Reports』
(DOI:10.1038/s41598-017-05772-5)に
掲載されました。 
 
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本研究成果のポイント
 
・多くの医療機関では細菌感染症の
 原因菌判定には細菌培養法が使われて
 おり、結果が出るまでに1日から2日を
 要している
 
・東海大学では、ナノポア技術を使った
 新型のDNA塩基配列決定装置と
 独自開発のソフトウエア群により、
 ポータブル型のゲノム解析システムを
 作製した
 
・実際に感染症患者由来の試料を
 解析したところ、DNA抽出後から
 2時間以内に試料に含まれる細菌を
 同定できることを示した
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 素晴らしい。
 細菌感染症は増加傾向で、原因となる
細菌の特定には時間がかかっているのが
現状です。
 
 
 
>現在、薬剤耐性菌の蔓延が世界的な問題
>になっています。
 
>本システムをさらに発展させ、
>プラスミド配列を含む全ゲノム配列を
>対象としたポータブルゲノム
>解析システムを開発することが
>できれば、細菌感染症の原因菌を
>正確に知ることが可能となり、
>適切な抗菌薬の選択や薬剤耐性菌の
>出現の抑制につながると考えられます。
 
>また、将来的に本システムが
>医療機関に普及していけば、
>正確かつ迅速な細菌感染症の診断に
>大きく貢献すると考えられます。
 
>さらに、本システムはポータブル型の
>DNAシーケンサ「MinION」および
>ラップトップ型PC2台だけで
>解析できることから、持ち運びが容易
>であり、大規模災害の現場など
>十分な検査設備のない地域や、
>感染症の多い熱帯地域での活躍にも
>期待が持たれます。
 
 
 良いと思います。
 大いに期待したい。

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