« 皮膚がんの一種「メラノーマ(悪性黒色腫)」の増殖を選択的に阻害する化合物を発見 がん化した細胞を標的とした副作用の少ない抗がん剤開発に期待 | トップページ | がん細胞を効果的に傷害する"薬効ルール"を発見!~高い薬効を有する低分子型抗体の簡便なスクリーニング手法の開発に成功~ »

2017年6月 8日 (木)

からだに優しいがん転移予防薬の実現に向けて-がんの信号を抑える心臓ホルモンのメカニズム解明-

2017年5月26日
国立循環器病研究センター
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(ATR)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
 国立循環器病研究センター研究所の
野尻崇(生化学部ペプチド創薬研究室長)、
寒川賢治(研究所担当理事)らの
研究グループは、
株式会社国際電気通信基礎技術研究所、
佐藤匠徳特別研究所河岡慎平主任研究員
らのグループ、東京大学および
大阪大学との共同研究で、
心臓から分泌されるホルモンである
心房性ナトリウム利尿ペプチド
(Atrial Natriuretic Peptide; ANP)の
投与により様々な種類のがんの転移を
予防・抑制できること、
また、そのメカニズムについて
明らかにしました。
 
 本研究の成果は、2017年5月26日
(米国東部時間5月25日)に科学誌
「Oncotarget」のオンライン速報版で
公開されました。
 
 本研究では、マウスの乳がんや
肺がんモデルを用いて、
ANPを投与したときとそうでないときの
2通りの場合について、
主要な転移先臓器の一つである
肺組織の遺伝子発現を網羅的に
調べました。
 
 これらのがんは、転移する前から、
肺の遺伝子発現をがんに都合の良いように
変化させることが知られています。
 
 約2万種類の遺伝子に対する解析の結果、
ANPががんにより増加する肺の遺伝子発現
変化をまんべんなく抑制できることが
わかりました。
 
 驚くべきことに、がんをもたないマウス
にANPを投与しても、正常肺には
ほとんど影響が認められず、
また、ANPはがんの増殖などには
影響しませんでした。
 
 このことから、ANPががんがあるときに
肺に起こる悪影響を特異的に緩和する
能力を持つ、"がんストレス緩和ホルモン"
であることが示唆されました。
 
 さらに、ANPによる転移抑制効果は、
血管内皮細胞を介して得られることを
証明し、がんストレス緩和における
血管の重要性が示されました。
 
 現在、ANPによる
抗術後転移・抗再発効果を検証するための
多施設臨床研究
(JANP study;国循が主導)について、
肺がん手術500例を対象に実施中です。
 
 本論文は、がんによる悪影響から
身体を守る新しい制がん剤
-からだに優しい転移予防薬-を
開発するための基盤情報となることが
期待されます。
---------------------------------------
 
>マウスの乳がんや肺がんでは、
>転移する前から、肺の遺伝子発現を
>がんに都合の良いように変化させること
>が知られています。
 何ということでしょう!
 がんは本当に巧妙ですね。
 
 
>今回の研究では、ANPという、
>我々がもともと体内に持っている
>ホルモンの働きを増強することで、
>血管を介してがんストレスを緩和できる
>可能性が示唆されました。
 
>また、ANPによる
>がんストレス・転移緩和効果は、
>乳がん、肺がん、大腸がんといった
>様々な種類のがんに対して発揮される
>ことも示されました。
 
>ANPによるがんストレス・転移抑制効果
>に基づく治療法は、
>今後多くのがん治療へ応用されることが
>期待されます。
 
>また、転移は、がんによる死亡の主要な
>原因であると考えられています。
 
>転移さえ防ぐことができれば、
>がんを持ったまま天寿を全うできる
>ような時代が来るかもしれません。
 
>ANPは1995年の発売以来、
>数十万人の心不全患者に使用されて
>おりますが、重篤な副作用は
>知られていません。
 
>心臓ホルモンは、誰もが元々持っている
>ので、安全性が高く、
>副作用の強い従来の抗がん剤よりも
>使用しやすい点が大きな利点です。
 
>ANPをからだに優しい新しいタイプの
>転移予防薬として役立てる臨床研究は、
>国立循環器病センターが主導する形で
>積極的に推進されています。
 
>実際、ANPの血管保護による
>"抗転移薬・抗再発薬"としての
>コンセプト実証試験として、
>国循主導の肺がん手術を対象とした
>多施設共同無作為化比較試験
>(JANP study)が500名の肺がん手術を
>対象として進行中であり、
>今後様々ながんで実施予定と
>なっています。
 
 
 大いに期待したいですね。

|

« 皮膚がんの一種「メラノーマ(悪性黒色腫)」の増殖を選択的に阻害する化合物を発見 がん化した細胞を標的とした副作用の少ない抗がん剤開発に期待 | トップページ | がん細胞を効果的に傷害する"薬効ルール"を発見!~高い薬効を有する低分子型抗体の簡便なスクリーニング手法の開発に成功~ »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210730/65385011

この記事へのトラックバック一覧です: からだに優しいがん転移予防薬の実現に向けて-がんの信号を抑える心臓ホルモンのメカニズム解明-:

« 皮膚がんの一種「メラノーマ(悪性黒色腫)」の増殖を選択的に阻害する化合物を発見 がん化した細胞を標的とした副作用の少ない抗がん剤開発に期待 | トップページ | がん細胞を効果的に傷害する"薬効ルール"を発見!~高い薬効を有する低分子型抗体の簡便なスクリーニング手法の開発に成功~ »