自己免疫疾患の発症につながる新たな分子メカニズムの発見
2017-05-30
沖縄科学技術大学院大学(OIST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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この度、沖縄科学技術大学院大学
(OIST)の研究チームは、
自己免疫疾患の発症に深くかかわる
分子メカニズムを発見しました。
研究チームは、これまで自己免疫疾患の
発症に密接に関与することが明らかに
なっている「Th17細胞※1」
(良性と悪性がある)をターゲットとする
自己免疫疾患の治療法開発に向けた
基礎研究を行う中で、「JunB」という
転写因子※2タンパク質のひとつが、
悪性のTh17細胞が固有の機能をもつように
成熟する(分化する)際に必要であること
を明らかにしました。
一方、マウスを使った実験で、
良性のTh17細胞の誘導には
「JunB」が必要ないことも示唆しました。
このことから、「JunB」は、
有害なTh17細胞のみを狙い、
且つ、良性のTh17に影響を与えること
のない、副作用の少ない新たな
自己免疫疾患の治療標的となる可能性が
あります。
自己免疫疾患に関しては、
現在、治療の中心となっているのは
免疫システム全体を抑制するものですが、
この治療法では患者の体が病気と戦う能力
を低下させてしまうという問題があります。
今回の研究成果は、こうした現状に
新たな道をもたらすものと言えます。
「JunB」のTh17細胞における機能が
初めて明らかになった本研究成果は、
英科学誌 Nature Communications に
掲載されました。
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Th17細胞が自己免疫疾患発症に関わって
いることは、良く知られていましたが、
下記の新しい発見があったようです。
>今回の研究成果は、良性のTh17細胞
>ではなく、自己免疫を引き起こす
>悪性のTh17細胞の分化において、
>JunBを介する転写メカニズムが
>必要不可欠であることを明らかに
>しました(図4)。
>研究を率いた石川裕規准教授は、
>「この新たな知見は、悪性Th17細胞を
>ピンポイントに狙う副作用の少ない
>自己免疫疾患の治療法の開発のために
>重要です。」と、
>その成果を強調します。
>また、本研究成果はTh17細胞の
>機能的多様性を生みだすメカニズムの
>一端を解明するものです。
今後の更なる研究に期待しましょう。
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