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2017年5月11日 (木)

オートファジーが膵癌を支える細胞の活性化に関与している事を発見-全く新しい膵がん治療法の開発に期待-

2017.05.09
九州大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 九州大学大学院医学研究院の
中村雅史教授、九州大学病院の
仲田興平助教、大学院3年生の遠藤翔らの
研究グループは、膵がん細胞の転移、
浸潤に影響を与えている膵星細胞の
活性化にオートファジーが関与している事
を発見し、膵星細胞のオートファジーを
抑制することが、新たな膵がん治療法
となる可能性を見出しました。
 
 膵がんは5年生存率が9.2%であり、
他のがんと比較しても極めて予後が不良な
疾患で、その予後の改善は社会的急務と
言えます。
 
 がん組織の中には、がん細胞の他に
線維芽細胞を中心とした“間質”と
呼ばれる構造があり、この間質に存在する
細胞が、がん細胞の転移、浸潤を促して
いると言われています
(癌間質相互作用)。
 
 膵がんで癌間質相互作用の中心を
担っている細胞が “膵星細胞”です。
 
 これまで本学の中村雅史教授、
大内田研宙助教らは膵星細胞が
膵がんの悪性化に重要であると考え、
膵星細胞の活性化に関する研究を
行ってきました。
 
 “オートファジー”は細胞が
自己成分を分解するシステムの一つですが、
老化や免疫、さらには、発がん、糖尿病、
神経疾患など様々な疾患に関与している
ことが報告され、現在、世界中で
大きな注目を集めています。
 
 今回、研究グループは、膵星細胞の
オートファジーを抑制する事で
膵星細胞から分泌される
IL-6;Inerleukin-6やコラーゲンの産生が
抑制され、その結果、膵がん細胞の転移や、
浸潤が抑制される事を明らかにしました
(図1右図)。
 
 また、膵がん細胞と膵星細胞を移植した
マウスにオートファジー抑制剤である
クロロキン;CQを投与したところ、
がん細胞の肝転移や腹膜播種が
抑制される事も確認しました(図1左図)。
 
 予後が不良な疾患と言われている
膵がんですが、本研究結果は、
膵星細胞および膵がん細胞の
オートファジーを抑制することが
膵がんに対する新たな治療法となる
可能性を示唆しており、
その結果、膵がんの予後が改善することが
期待されます。
 
 本研究成果は、米国科学雑誌
「Gastroenterology」の
2017年5月号に掲載されました。
 
 
本研究成果の詳細は こちら
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 極めて予後の悪い膵がん治療法に対して
も膵星細胞のオートファジーを抑制する事
が成果をあげたようです。
 
 「オートファジーを標的とした
新たな治療戦略の開発」
 
 かなり期待出来そうです。
 
 関連投稿
平成29年3月23日
国立大学法人 東京医科歯科大学
国立大学法人 浜松医科大学
 
 
 
>オートファジー抑制剤ががん細胞自身の
>転移、浸潤を抑制するとの報告は
>これまでも知られていましたが、
>本研究の結果から膵癌間質に存在する
>膵星細胞のオートファジーを抑制する
>ことにより、膵がんの悪性度が
>抑制されることが示唆されました。
 
>既存の薬剤の中にも
>オートファジー抑制効果を認めるものも
>あり、これらの薬剤が膵がんの治療薬
>として新たな可能性が検討される
>と共に、新たなオートファジー抑制剤の
>開発が進むことにより新規膵がん治療薬
>が開発されることが期待されます。
 
 
 大いに期待したい。

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