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2017年5月17日 (水)

全世界からの植物由来の蒸発量の把握~水の同位体比から解き明かされる地球水循環の詳細~

2017.05.10
東京大学生産技術研究所ニュース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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発表のポイント
 
◆3年間にわたる水田上での観測を経て、
 植物を経由した蒸散とそれ以外の蒸発を
 定量的に見積もる手法を開発し、
 それを全球に適用したところ、
 蒸散の割合が57±7%と見積もられた。
 
◆近年、陸上からの蒸散寄与率について、
 20%~90%とさまざまに異なる値が
 報告され盛んな議論がなされてきたが、
 その議論に決着をつける結果。
 
◆蒸散は、植物が光合成する際に行われる
 ものであり、 炭素循環を正確に
 見積もる上にも蒸散量の正確な推定は
 必須。地球温暖化の緩和や適応を考える
 際の基礎情報として極めて重要になる。
 
 
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発表概要
 
 近年の地球温暖化に代表される
気候変動をより正確に予測する上で、
地球水循環の詳細の理解は必須です。
 
 陸上からの蒸発散量のうち、
植生を経由する蒸散量と土壌や水面
からの蒸発量の割合(蒸散寄与率)は、
地球水循環を理解するうえの基本的な
事項であり、特に、将来気候の予測や
光合成を介した炭素循環に大きな影響を
与えるものであるにもかかわらず、
未だ十分理解されているとは言えず、
理解の向上は喫緊の課題でした。
 
 東京大学生産技術研究所と
大気海洋研究所の芳村圭准教授らは、
農業・食品産業技術総合研究機構
農業環境変動研究センターが
管理・観測している試験水田に、
2013年より新たな水安定同位体比
観測システムを導入し、
3年間にわたる観測を行いました。
 
 水の安定同位体比(δ18OとδD)は
水の相変化に対して敏感であり、
相変化を伴う水循環過程の理解向上への
利用に適した指標です。
 
 その結果に基づき、全球に適用可能な
蒸散寄与率推定手法を開発し、
全球陸域での蒸散寄与率分布を推定し、
その全球平均値として57±7%という値を
見積もりました。
 
 こういった値は、例えば気候モデルの
陸面過程をより正しいものにするために
大いに重要になります。
 
 また、全球陸域での蒸散寄与率
についてはここ数年で20%~90%と
さまざまな値が発表され、
大きな論争となっていたのですが、
今回の観測データに基づいた値は、
そういった国際的な科学論争に
決着をつけるものです。
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 これも又素晴らしい成果ですね。
 
 
 地球温暖化の緩和や適応を考える際の
基礎情報として極めて重要であると思い
ます。
 
 前回の投稿も含めて、世界の科学論争
に決着をつけ、世界に貢献出来ることを
期待しています。

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