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2017年5月 7日 (日)

多糖類から「ゼロ複屈折ポリマー」の開発に成功

平成29年4月18日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○多糖類の一種であるプルラン注1)から、
 簡単なエステル化注2)の手法により、
 添加剤を一切加える必要のない
 「ゼロ複屈折ポリマー」注3)の
開発に成功しました。
 
○全ての可視光領域において、ゼロ複屈折
 を発現しました。
 
○置換するエステル基の種類を変えること
 で、複屈折の値を自在に調整することが
 可能であるとともに、機械物性、
 耐熱性、耐水性、成形加工性にも
 優れています。
 
 
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発表内容
 
 液晶ディスプレイは、スマートフォン、
タブレットPC、液晶テレビなどに
広く用いられています。
 
 液晶ディスプレイの基本構成材料の1つ
である偏光板を保護する目的で、
さまざまなポリマー保護フィルムが
使われています。
 
 一般的なポリマー保護フィルムは、
セルローストリアセテート、
シクロオレフィン樹脂、アクリル系樹脂
などのポリマーから製造されていますが、
その複屈折をゼロに近づけるために、
多くの添加剤が混ぜられています。
 
 本研究グループは今回、多糖類の一種
であるプルランから、添加剤を全く必要
としない「ゼロ複屈折ポリマー」の
開発に成功しました。
 
 原料として用いたプルランは、
微生物によって生合成される水溶性多糖類
の1つで、グルコースが2つのα-1,
4結合と1つのα-1,6結合を
規則正しく繰り返すことにより
長くつながった、階段状の非常に珍しい
分子構造を持っています(図1)。
 
 プルランは主に、食品添加剤、
可食性フィルムや医療用カプセルなど
として利用されていますが、
これまでプラスチックの原料として
用いられることはありませんでした。
 
 今回、プルランの特徴的な分子構造に
着目し、分子構造中に存在する
3つの水酸基(-OH)をエステル基に
置換してプルランアセテートに
変えることにより、特徴的な分子構造を
残したままで、ゼロ複屈折を発現させる
ことに成功しました(図2)。
 
 開発したゼロ複屈折ポリマーは、
ゼロ複屈折の発現に、添加剤を一切必要
としません。
 
 これは、プルランの持つ特徴的な
階段状の分子構造のため、分子配向が
抑制されたためであると考えられます。
 
 また、熱延伸を施しても、分子配向の
緩和が容易に起こることから、
ゼロ複屈折の延伸フィルムも得られること
がわかりました。
 
 さらに、このゼロ複屈折ポリマーは、
全ての可視光領域
(波長=380~750nm)において、
ゼロ複屈折を示すことも発見しました。
 
 機械物性、耐熱性、耐水性、成形加工性
にも優れていることから
偏光板保護フィルムや位相差フィルム
として、さまざまな分野での利用が
期待されます。
 
 今後は、溶融押出成形などの工業手法
により、ゼロ複屈折フィルムの作製を
行いたいと考えています。
 
 自然界には、人工的には決して
作り出すことができない、
さまざまな特徴的な分子構造を持つ
多糖類が存在します。
 
 今後は、それらの特徴的な構造を
保持したまま、
新規な高機能・高性能ポリマーの開発を
行いたいと考えています。
 
 今回の成果を糸口として、石油由来の
原料を使用しない、バイオベースの
プラスチック創出技術を確立することで、
二酸化炭素の排出削減につながることが
期待されます。
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 素晴らしい。
 
 
>石油由来の原料を使用しない、
>バイオベースのプラスチック
 である。
 
>開発したゼロ複屈折ポリマーは、
>ゼロ複屈折の発現に、添加剤を
>一切必要としません
 
 と言うのは良いですね。
 
>今回の成果を糸口として、
>石油由来の原料を使用しない、
>バイオベースのプラスチック創出技術を
>確立することで、二酸化炭素の排出削減
>につながることが期待されます。
 
 大いに期待したい。

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