劇症肝炎、慢性腎臓病に対する新規治療薬の開発 ‐新規化合物MA-35は劇症肝炎や腎臓線維化を軽減する‐
2017年5月19日
東北大学プレスリリース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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東北大学大学院医学系研究科および
医工学研究科病態液性制御学分野の
阿部 高明教授、
元医学系研究科大学院生
(現徳島市川島病院)の島 久登氏らは、
岡山理科大学の林 謙一郎教授、
広島大学病院の正木 崇生教授らの
研究グループとともに、
劇症肝炎や慢性腎臓病の進行を抑える
効果がある新規化合物
Mitochonic acid 35 (MA-35) を
開発しました。
劇症肝炎は救命率の低い予後不良な
疾患であり、現在のところ肝移植以外に
確立された内科的治療法がなく
有効な治療法の開発が急務と言えます。
また慢性腎臓病進行による
透析導入患者数は増加の一途であり、
腎臓線維化が慢性腎臓病進行時の
共通の最終病像とされています。
腎臓線維化は腎機能予後と
強く相関しており
慢性腎臓病の進行抑制には線維化抑制が
急務ですが、現在のところ厳密に
効果があると確定された治療薬は
ありません。
本研究において、阿部教授らは
腎臓病患者の血液中にATPや
エリスロポエチン産生亢進作用がある
インドール化合物が含まれていることを
発見しました。
さらに、その化合物の
誘導体ライブラリーをスクリーニングし、
TNF-αとTGF-β1の両方を阻害する作用
のある新規化合物MA-35を発見しました。
TNF-αは炎症促進を担う
中心的なサイトカインであり、
TGF-β1は線維化進行を担う
中心的な増殖因子です。
MA-35は劇症肝炎動物モデルにおいて
TNF-αを強力に抑制し、
肝炎を軽減しました。
さらにMA-35は腎臓線維化動物モデル
においてTGF-β1を強力に阻害し、
線維化を軽減しました。
本研究の成果は、現在有効な治療法
のない劇症肝炎や慢性腎臓病に対し、
世界初かつ日本発の新しい治療薬の開発
となりうる発見です。
今回の研究成果は、
Scientific Reports誌(電子版)に
掲載されました。
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「世界初かつ日本発の新しい
治療薬の開発となりうる発見」
だそうです。素晴らしいですね。
>今回の成果から、MA-35は
>現在治療法のない劇症肝炎や
>慢性腎臓病の新しい治療薬となる
>可能性が示唆されました
大いに期待しています。
是非、日本発の治療薬にして欲しい
ものです。
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