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2017年5月21日 (日)

コレステロール運搬体(LDL)は薬も運ぶ

2017.4.4
東京大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
◆血液中でコレステロールや中性脂肪
 などの脂質の運搬を担う LDL(注1)
 が、脂質のみならず薬の運搬体としても
 機能していることを見出しました。
 
◆これまで着目されていなかった薬と
 LDL の相互作用が、薬の体内挙動に
 影響を及ぼすことを見出した重要な
 発見です。
 
◆本研究成果は、脂質(LDL)代謝の
 変動を考慮した薬の投与設計や
 薬物治療の最適化に貢献することが
 期待されます。
 
 
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概要
 
 一般に悪玉コレステロールとも呼ばれる
LDL は、血液中で水に溶けにくい脂質
(コレステロールや中性脂肪など)を
体の各組織に運搬する役割を担っています。
 
 LDL コレステロール値(濃度)が高いと、
心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患に
繋がる動脈硬化症を発症する可能性
が高まることから、これらの疾患の
リスクを予測するためのバイオマーカー
として、多くの健康診断で検査されて
います。
 
 近年、LDL には脂質のみならず、
ビタミン E やビタミン K などの一部の
栄養素も分布することが明らかとなり、
さまざまな生体内物質の運搬に LDL が
関わることが分かってきました。
 
 一方、病気の治療に用いられる薬も、
服用後は血液中を循環して体の各組織に
運ばれますが、薬の運搬に LDL が
関与しているのかについては、
これまで注目されていませんでした。
 
 東京大学医学部附属病院薬剤部の
山本英明大学院生(当時)、
高田龍平講師、山梨義英助教、
鈴木洋史教授らのグループは、
水に溶けにくい性質をもつ薬の多くが
LDL に分布すること、そして、
それらの薬の体内挙動
(血液中から体の各組織への移行)は、
LDL コレステロールと同様に LDL 受容体
(注2)によって制御されていることを
見出しました(図1)。
 
 本研究の成果は、脂質のみならず
薬の運搬体としても機能する LDL の
新たな側面を明らかにするとともに、
LDL の血液中濃度の変動を考慮した
薬の投与設計や薬物治療の最適化に
繋がるものと期待されます。
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>LDL は薬の運搬体としても
>機能している。
 以外です。
 
 
>本研究の成果は、脂質のみならず
>薬物の運搬も担うという
>LDL の新たな側面を明らかにした、
>生理学的に重要な発見です。
 
>薬の体内挙動を予測するにあたり、
>これまでは、血液中でタンパク質に
>結合していない非結合型薬物(注5)
>のみが組織移行可能であり、
>タンパク質結合型薬物(注6)は
>組織移行しないと考えられていました。
 
>しかしながら、今回の研究により、
>これまでタンパク質結合型薬物に
>分類されていた LDL 分布型薬物も、
>LDL 受容体を介して組織移行しうる
>ことが明らかとなり、薬物動態学的な
>観点からもきわめて重要な成果と
>なりました(図6)。
 
>さらに、基礎研究の結果から
>ヒントを得て、臨床で行われている
>LDL アフェレシス療法が、
>LDL 分布型薬物の血液中濃度も
>大きく低下させてしまうことを
>新たに見出し、注意喚起することが
>できました。
 
>基礎と臨床を橋渡しする
>トランスレーショナルリサーチの
>側面からも意義が大きい
>本研究の成果は、脂質代謝の変動を
>考慮した薬物投与設計や薬物治療の
>最適化に繋がるものと期待されます。
 
 
 まだまだ未知な部分が沢山ありそう
です。
 
 今後の進展に期待しています。

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