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2017年5月25日 (木)

合成ペプチドを用いて未分化iPS細胞を効率的・選択的に除去する手法を開発

2017年5月19日
京都大学iPS細胞研究所CiRA(サイラ)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
・iPS細胞に対して毒性を有し、
 それ以外の細胞にはほとんど毒性を
 もたないペプチドD-3を新たに合成した。
 
・iPS細胞由来の心筋細胞と未分化iPS細胞
 を混ぜて培養したのち、D-3を用いて
 未分化iPS細胞を除去してから
 移植すると、移植した後の腫瘍の形成を
 防ぐことができた。
 
・細胞表面の
 アルカリフォスファターゼ活性が
 ペプチドD-3の細胞毒性に必要であった。
 
・ペプチドD-3は1時間から2時間という
 短時間の投与でiPS細胞を簡便、
 かつ選択的に除去できた。
 
 
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要旨
 
 Yi Kuang 研究員
(京都大学CiRA未来生命科学開拓部門)、
齊藤博英 教授(同部門)らの
研究グループは、合成ペプチド注1を
用いて未分化iPS細胞を効率的・選択的に
除去する手法を開発しました。
 
 iPS細胞を特定の細胞に分化させて
移植する際、未分化のままのiPS細胞が
残っていると、移植後に腫瘍を形成する
可能性があります。
 
 そこで、iPS細胞を再生医療に用いる
に当たっては、分化させた細胞集団に
混在するiPS細胞をいかに取り除くかが
課題でした。
 
 研究グループは、iPS細胞の表面に
多く発現している
ALP(アルカリフォスファターゼ)注2と
結合すると構造が変わり、細胞を破壊する
ペプチドD-3注3を合成しました。
 
 D-3を培地に添加することで、従来の手法
よりも効率的にiPS細胞を除去できました。
 
 また、D-3を用いてiPS細胞由来の
細胞集団からiPS細胞を除去すると、
移植後に腫瘍が形成される確率を
低減できることを確認しました。
 
 本技術を応用することで、iPS細胞を
使った再生医療の安全性を高められると
期待されます。
 この研究成果は2017年5月18日正午
(米国東部時間)に米国科学誌
「Cell Chemical Biology」でオンライン公開
されました。
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 iPS細胞研究進歩しています。
継続出来るよう応援したい。
 
 
>本研究では、iPS細胞に対し
>て毒性をもち、それ以外
>合成ペプチドD-3を発見しました。
 
> また、D-3を用いてiPS細胞を除去する
>ことで、iPS細胞由来の細胞を
>移植したのち、腫瘍が形成されるのを
>防ぐことができました。
 
>今後、本技術を応用することで、
>iPS細胞を簡便・選択的・効率的に
>除去して、目的とする細胞の純化が
>容易になることが期待されます。
 
>また、iPS細胞の再生医療への応用に
>おける安全性が高まることが
>期待されます。
 
 
 期待しています。

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