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2017年5月17日 (水)

東アジアの炭素収支の問題に決着:東アジア陸域生態系によるCO2吸収は進んでいない- 中国からの人為起源排出量のバイアス影響を新たな手法で評価 -

2017年5月16日
国立研究開発法人海洋研究開発機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 国立研究開発法人海洋研究開発機構
(以下「JAMSTEC」という。)
地球表層物質循環研究分野の
佐伯田鶴ポストドクトラル研究員
(現所属、国立環境研究所)
地球環境研究センター)と
プラビール・パトラ主任研究員は、
主要な温室効果ガス(※1)である
二酸化炭素(CO2)の排出吸収量
について、独自に開発した
大気化学輸送モデル(※2)と
大気濃度観測データを用いた
CO2とメタン(CH4)の解析から、
2000年代の東アジアの化石燃料消費
によるCO2排出量が過大評価されている
可能性を示し、このバイアスを補正
すれば、近年報告された東アジアの
陸上生態系によるCO2吸収量の増大は
見られない、ということを
明らかにしました。
 
 大気濃度観測データからCO2の
排出吸収量を推定する手法では
CO2の人為起源排出のバイアスが
陸域生態系吸収の推定に影響するため
分離が困難でしたが、
本研究は、CO2とCH4の解析結果を
組み合わせた新しい解析手法により
両者の寄与を分離し推定した
世界で初の試みです。
 
 最大の温室効果を持つCO2の地域ごとの
収支(排出量と吸収量)を正確に理解する
ことは、CO2濃度と地球温暖化の
将来予測精度を向上させるため
だけでなく、将来の炭素管理の最適化や、
排出削減対策の効率的な政策立案に
不可欠となっています。
 
 陸域生態系や海洋によるCO2の収支を
地域ごとに推定する方法としては、
生態系や海洋のプロセスを積み上げていく
手法とともに、大気輸送モデルを用いて
大気中CO2濃度観測データから
逆推定する解析方法が有力な手法と
なっています。
 
 その大気側からの逆推定の際には、
人間活動による化石燃料消費などの
CO2排出量も入力データとして
使用しますが、各国の社会経済的な
統計等に基づいていることから、
信頼度の高いものとしてそのまま解析に
使用するのが常でした。
 
 しかしながら本研究では、この前提は
中国の排出量統計値には当てはまらず、
近年過大バイアスがあることを
明らかにしました。
 
 さらに、CH4の大気観測データを
使用した逆推定の結果
(2016年2月1日既報)を考慮した
新しい解析手法を用いて、東アジアの
化石燃料消費によるCO2排出量の増加率を
補正すれば、東アジアの陸上生態系
による2000年代の吸収量の増加は
見られず、近年報告された逆推定の結果
では吸収量の増加率が過大に評価されて
いることを明らかにしました。
 
 本研究の成果は、大気側からの
CO2収支推定手法の精緻化に貢献するもの
であり、また、温室効果ガスの
科学的知見を取りまとめている気候変動に
関する政府間パネル(IPCC)や
グローバル・カーボン・プロジェクト
(GCP)(※3)の活動に貢献する
とともに、地球温暖化対策および
放出量管理に関する政策立案の際の
科学的裏付けとなることが期待されます。
 
 なお、本研究は環境省環境研究総合
推進費(課題番号2-1401)の一環として
実施したものです。
 
 この成果はアジア・オセアニア地球科学
学会の「Geoscience Letters」に
5月16日付け(日本時間)で
掲載される予定です。
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 素晴らしい成果ですね。
 
 
>今回の手法は、大気化学輸送モデル
>を用いたCH4とCO2の逆推定と
>長期の航空機観測での検証を
>総合的に組み合わせて、
>既存の社会経済統計による
>CO2排出量を検証・補正した
>初めてのケースであり、
>温室効果ガス排出量の
>「測定、報告及び検証
>(Measurement, Reporting and
>  Verification; MRV)」に対する
>独立した検証手法への応用が
>期待されます。
 
 
 地球温暖化対策および放出量管理
に関する政策立案の際の科学的裏付
けとして認められ、貢献出来るよう
期待したい。

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