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2017年4月25日 (火)

がん組織の高い温度に反応し、ナノ微粒子が特異的に集積する仕組みを開発~副作用のないがん治療へ期待~

平成29年3月8日
科学技術振興機構(JST)
九州大学
量子科学技術研究開発機構(QST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○従来の薬剤分子のがん組織への集積は
 効果が不十分で時間がかかり、
 正常組織にも薬剤が働きかける
 問題があった。
 
○がん組織の隙間へ入り込み、
 温度に反応して自らサイズを大きくして
 集積するナノ微粒子を開発した。
 
○患者に副作用を与えず、低い投与量で
 効果を生み、患者への負担が少ない
 がん診断や治療に役立つことが
 期待される。
 
 
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 JST 戦略的創造研究推進事業
において、九州大学 大学院薬学研究院の
唐澤 悟 准教授らは、がん組織の温度に
応答して薬剤分子を集める仕組みを
開発しました。
 
 ドラッグデリバリーシステム(DDS)
注1)は体内の薬剤分布を量的、空間的、
時間的に制御する薬剤運搬技術で、
がん治療の1つとして研究が進んでいます。
 
 従来は、血管に生じる「隙間」を
利用して、数十~百ナノメートルサイズの
ナノ微粒子中に薬剤を内包させ、
がん病巣へ薬剤を集積させます。
 
 しかし、この方法では薬剤が正常な組織
にも分布するため、副作用を発症する
などの問題がありました。
 
 そのため、がん組織のみを狙う高精度な
がん集積法を持つDDS開発が
望まれていました。
 
 がん組織は、活動が活発なため
正常な組織よりも温度が高いことが
知られています。
 
 唐澤准教授らは、温度が変わると
分子が集合して形やサイズが変化する
「温度応答性ナノ微粒子」を研究し、
がん組織に分子を集めて留まる方法を
新たに開発しました。
 
 このナノ微粒子は、ヒトの体温よりも
少し高温の温度域で自ら集合して
大きなサイズになります。
 
 がんを持つマウスへ蛍光分子を
取り付けたナノ微粒子を投与したところ、
がん細胞の温度に応答してナノ微粒子が
がん組織に集積する様子が
蛍光イメージング注2)で
観察されました。
 
 この方法を利用することで、
従来のDDSが抱えていた、
がん細胞以外への副作用を解決する
だけではなく、低い投与量で負担が少ない、
新たながん診断や治療に役立つことが
期待されます。
 
 本研究は、九州大学 大学院薬学研究院
の荒木 健さん、臼井 一晃 助教、
量子科学技術開発機構の
青木 伊知男 博士、
村山 周平 博士らと共同で行ったもの
です。
 
 本研究成果は、2017年3月7日
(米国東部時間)に米国科学誌
「Nano Letters」の
オンライン速報版で公開されます。
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 Good News !
 
 有望そうな治療法としては、ご存知
だと思いますが、
免疫チェックポイント阻害剤が
ありますが、その他のものとして
下記のものが有望そうです。
 
 ただ、「近赤外線を照射して」
ということなので、身体の深部のがん
は適用出来ないと思われます。
 
 その点で今回のものは良いと
思われます。
 
>本研究では、がん細胞の隙間と高温性を
>利用し、温度応答性ナノ微粒子を用いて
>がん組織への集積を達成しました。
 
>これにより、効率的、加速的に微粒子を
>がん組織へ集積させる方法が可能
>であることが示されました。
 
>今後この基本戦略に従って、
>我々が開発した温度応答性ナノ微粒子内
>にMRI造影剤注4)やがん治療薬を
>包接させることにより、
>短時間、低投与量でのがん診察、
>副作用のないがん治療への展開を
>目指します。
 
 温度応答性の効果はどの程度、従来の
DDSと比べて良好なのでしょうか?
 
 期待したいと思います。
 少しでも良い治療法が開発されること
を祈っています。

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