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2017年3月29日 (水)

ロボット工学技術により細胞から血管創出に成功 ~再生医療実用化が加速~

2017.03.13
横浜市立大学先端医科学研究センター
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 横浜市立大学 学術院医学群
循環制御医学 横山詩子准教授、
石川義弘教授は、
大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻
金子真教授らと共同で、
分離された血管平滑筋細胞の周期加圧
による、血管組織の創生技術を
開発しました。
 
 作製された血管組織片は、
パッチ(継当て)あるいは
血管チューブとしてラット大動脈への
移植が成功しています。
 
 iPS 細胞や幹細胞を用いた臓器再生技術
の革新には目を見張るものがありますが、
各種臓器の再生で最も遅れているのが、
意外なことに血管です。
 
 血管は、血液を通す単なる「筒」
でなく、血圧変動を調節して血流を
途絶えさせない機能をもちます。
 
 これを可能にするのがいわゆる
血管弾性、つまり、「しなやかさ」です。
 
 弾性が無ければ、血管は単なる鉄管
となり、例えば拡張期に血流が途絶えて
しまいます。
 
 血管は収縮期に血圧が上がると
弾性があるため拡張し、拡張期に
血圧が下がるともとの径に戻ります。
 
 このため、収縮期に血液が血管内に
蓄えられ、それが拡張期に末梢側に
放出されます。
 
 このように血液が心臓から出てこない
拡張期にも、弾性による「しなやかさ」
があるおかげで、体中に血液がいきわたる
のです。
 
 今回の発見では、医工連携により
ロボット工学を血管再生技術に
応用しました。
 
 血管の構成細胞を培養する際に、
工学的な手法で周期的に圧力を加えること
で、生体移植可能な、高い弾性を持つ
人工血管の合成に成功しました。
 
 本技術はJST の支援を得て
PCT 出願され、指定国移行を予定して
おります。
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 素晴らしい。
 再生医療、前進中。
 
 
>わが国では年間に7万本の人工血管が
>消費され、市場規模は80億円に
>上りますが、そのほとんどが輸入品です。
 
>またテフロンなど人工素材であるため、
>生体適合性が問題となっています。
 
>我々は、今後この試作装置を
>空圧装置会社と共同で改良し、
>短時間で大量の人工血管を作製できる
>設備装置を開発して、わが国の
>小口径血管の需要をまかなえる
>システム、さらに、作製した
>ヒト細胞由来の血管細胞シートや
>iPS細胞を用いた人工血管製造を
>検討し、安全かつ安心な製品として
>再生医療の臨床現場で使いやすい製品を
>めざします。
 
>これらをわが国の人工血管市場に
>供給するだけでなく、広く海外に
>輸出できる革新的な国産技術としての
>開発を将来的な目標としています。
 
 
 良いですね。期待しています。

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