ほどほどの炎症が大切―組織の再生と炎症の意外な関係を解明―
2017.02.28
東京工業大学ニュース
詳細は、リンクを参照して下さい。
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要点
・魚類はさまざまな組織を再生できる
驚異的な能力を持つ
・マクロファージを欠損する
ゼブラフィッシュ変異体は
インターロイキン1βの亢進と
過度の炎症によって、再生細胞が
細胞死を起こす
・過剰な炎症が細胞死を起こす一方、
炎症そのものも組織再生の開始に必要
・組織の炎症応答は「諸刃の剣」として、
組織再生を制御している
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概要
炎症[用語1]は、あまりありがたくない
ものと考えられてきたが、炎症と組織再生
の意外な関係が明らかになった。
東京工業大学生命理工学院の
川上厚志准教授らの研究グループは、
ゼブラフィッシュを用いた解析により、
組織再生が起こるにはちょうど良いレベル
の炎症が重要であることを明らかにした。
川上准教授らは以前の研究で、
マクロファージ[用語2]などの
免疫細胞を欠くゼブラフィッシュ変異体
[用語3]は再生細胞が細胞死を起こして
組織を再生できないことを発見した。
今回、細胞死の誘導メカニズムを
調べたところ、再生組織での
インターロイキン1β[用語4]の
過剰な作用と炎症が原因であることが
分かった。
一方で、炎症応答をなくした場合にも
正常に組織再生が起こらないことから、
炎症そのものが組織再生に必須の役割が
あることも示された。
ヒトの組織再生を活性化する方法の開発
や、マクロファージの産生する
新たな抗炎症因子解明への展開が
期待される。
研究成果は英国の生物医学・生命科学誌
である「イーライフ(eLife)」の
オンライン版で2月23日に公開された。
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ほどほどの炎症ね~
そもそも炎症は生体の自然な防御
反応ですよね。
当然過剰な炎症は問題になりますが、
>今回の研究により、
>インターロイキン1βを介した炎症を
>ほどほどのレベルに制御することが、
>組織再生において重要なことが
>明らかになった。
>今後は哺乳類など再生できない組織
>における炎症応答を調べることや、
>マクロファージの産生する抗炎症因子の
>解明などによって、ヒトにおける
>組織再生能力を増進することに
>つながると期待される。
そうですね。そう思います。
組織再生能力を増進することが
出来るようになると良いですね。
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