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2017年3月20日 (月)

質量分析計を用いたメタボローム解析による大腸がんの早期スクリーニング法を開発

2017年2月15日
株式会社島津製作所
国立大学法人神戸大学大学院 医学研究科
国立研究開発法人国立がん研究センター
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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研究成果の概要
 
 神戸大吉田准教授らのグループは
2012年に大腸がん患者と健常検体の血清を
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)
による臨床メタボロミクス解析手法
を用いて分析し、大腸がん診断に
利用できる4種類の代謝物マーカーと
それを用いた信頼性の高い診断予測式を
開発しました。
 
 この予測式は、CEAやCA19-9など
既存の腫瘍マーカーと比較して
有用性が高いと考えられるものの、
実際にスクリーニング法として
利用するには感度(*3)、特異度(*4)
の面でまだ不十分なものでした。
 
 そこで、島津製作所と神戸大学の
共同研究チームは、島津製作所の
独自技術である高速スキャン制御技術
(ASSP)とSmart MRM技術を
組み合わせた高速・高感度GC/MS/MSを
利用し、血漿中の代謝物をより高精度に
定量できる分析手法を開発しました。
 
 この手法を用いて、
国立がん研究センターに保管されている
臨床情報の明らかな600以上の
大量の検体を分析することで
非常に高性能なスクリーニング法を
開発しました。
 
 大腸がん患者と健常者検体の
血漿中の代謝物を網羅的に解析した結果、
大腸がん診断に利用できる
8種類のマルチバイオマーカー
(ピルビン酸, グリコール酸,
  トリプトファン, パルミトレイン酸,
  フマル酸, オルニチン, リシン,
  3-ヒドロキシイソ吉草酸) を発見し、
これら8種類の代謝物データに基づいた
感度、特異度とも96%を超える
大腸がん診断予測式を作成できました。
 
 さらに、構築した診断予測式は、
ステージ0やステージ1といった
早期大腸がん患者においても、
高い感度を保つことも確認できました。
 
 本研究開発は、
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
(AMED)の医療分野研究成果展開事業
先端計測分析技術・機器開発プログラム
(開発課題名「全自動超早期大腸がん
 スクリーニング診断システムの実用化」,
チームリーダー:株式会社島津製作所
分析計測事業部マネージャー
尾島典行
サブリーダー:神戸大学大学院医学研究科
准教授 吉田優)の
一環として実施しました。
 
※独立行政法人科学技術振興機構 
研究成果展開事業
(先端計測分析技術・機器開発プログラム)
に平成25年度採択、平成27年4月にAMED)
に移管
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 メタボローム解析、有効だと思います。
 
 
 今回の成果が大腸がんの早期発見に
貢献出来ると良いですね。

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