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2017年3月 5日 (日)

C9ORF72関連の筋萎縮側索硬化症と認知症の新規核酸治療法開発につながる成果 -神経学分野で権威を有するBRAIN誌の2017年4月号注目論文に選出-

2017年3月1日
国立研究開発法人
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 国立研究開発法人 国立精神・神経医療
研究センター(NCNP、理事長:水澤英洋
理事長)、神経研究所(所長:武田伸一)
遺伝子疾患治療研究部の青木吉嗣室長らの
研究グループは、C9ORF72の非翻訳領域
リピート異常伸長が原因の、
筋萎縮側索硬化症(ALS)および
前頭側頭型認知症の病態に、
C9ORF72と小胞輸送を担うRAB7L1 GTP
アーゼとの相互作用の破綻が関与すること
を明らかにしました。
 
 さらに、この破綻はエクソソーム
(細胞外小胞)とトランス・ゴルジ網
(細胞内小胞)の輸送異常につながる
ことを見出しました。
 
 特記すべきは、疾患の病態に関与する
エクソソームとトランス・ゴルジ網の
輸送異常は、変異型C9ORF72
トランスクリプトを、
ギャップマー型アンチセンス核酸で
ノックアウト治療することにより
正常化した点です。
 
 ALSは、主に中年以降に発症し、
上位運動ニューロンと二次運動ニューロン
が進行性に変性・消失することにより、
次第に筋肉がやせて力が弱くなる
難治性の運動ニューロン疾患です。
 
 一方、前頭側頭型認知症は物忘れ,
性格の変化,言語や行動の障害などを
ひき起こす認知症です。
 
 2011年、C9ORF72遺伝子の非翻訳領域の
GGGGCCリピート配列の異常伸長は,
孤発性および家族性ALSおよび
前頭側頭型認知症の原因として
最も多いことが報告されました
(Neuron.2011;72:257-68.)。
 
 C9ORF72の非翻訳領域リピート伸長が
原因のALSおよび前頭側頭型認知症の
病態については、6塩基配列の異常伸長が
原因のRNA毒性(RNA凝集体や非ATG翻訳
による異常ポリペプチド産生)や、
ハプロ不全等が病因の仮説として
提示されていましたが、
C9ORF72タンパク質の機能と、
非翻訳領域(イントロン1)の6塩基配列の
異常伸長が神経変性をひきおこす分子機序
は不明でした。
 
 今回我々は、C9ORF72は
RAB7L1 GTPアーゼの
エフェクター・タンパク質として働き、
細胞外小胞(エクソソーム)分泌を
制御する分子機構を発見しました。
 
 本研究は、治療法の無かった
C9ORF72関連のALSおよび前頭側頭型認知症
を対象に、新規核酸医薬の創生に
つながり得る点で、大きな臨床的意義が
あります。
 
 本成果は、東北大学の福田光則教授、
オックスフォード大学のMatthew Wood教授
およびKevin Talbot教授らとの共同研究
として、上原記念生命科学財団、
英国医学研究会議(MRC)、
日本学術振興会(研究活動スタート支援)等
の研究資金によって行なわれたもので、
本論文は2月23日(英国時間)に
『BRAIN』オンライン版に発表され、
BRAIN誌2017年4月号の注目論文
(Editor's Choice Article)に
選出されました。 
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>BRAIN誌2017年4月号の注目論文
>(Editor's Choice Article)に
>選出されました。
 素晴らしい。
 
 
>本研究は、難治性のC9ORF72関連
>ALS/FTDに対して、新規病態解明に
>基づいた治療法開発の道を拓くもの
>であり、今後、DMD以外の
>難治性神経・筋疾患を対象にした
>核酸医薬品の開発が加速することが
>期待されます。
 
 大いに期待したい。

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