« 分子からなる超伝導体が従来超伝導線材を凌駕する臨界磁場90テスラを達成-分子性固体における超伝導材料開発の新たな指針- | トップページ | 光合成における水分解反応の機構の核心に迫る成果 光化学系 II 複合体が酸素分子を発生する直前の立体構造を解明 -人工光合成触媒開発の糸口に- »

2017年2月22日 (水)

廃棄物から高性能リチウムイオン電池負極材料を開発

2017年2月20日
大阪大学研究情報
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
本研究成果のポイント
 
・産業廃棄物であるシリコン切粉を、
 高性能なリチウムイオン電池負極材料に
 リサイクルする方法を開発しました。
 
・全世界でのシリコン切粉の発生量は、
 リチウムイオン電池負極材料の
 世界需要を上回っており、
 理想的な資源です。
 
・今回の材料は、簡便なプロセスで
 大量生産が可能です。
 
・従来の材料である黒鉛の約3.3倍に
 相当する高い容量を示し、
 充放電を800回以上繰り返しても
 その容量を維持できます。
 
 
-----
概要
 
 東北大学多元物質科学研究所の
西原洋知准教授、京谷隆教授、
大阪大学産業科学研究所の松本健俊准教授、
小林光教授らの研究グループは、
産業廃棄物のシリコン切粉を高性能な
リチウムイオン電池負極材料に
リサイクルする方法を開発しました。
 
 半導体産業や太陽電池用に
大量のシリコンウエハが生産されています
が、生産量とほぼ同量の切り屑
(シリコン切粉)が発生し、
産業廃棄物となっています。
 
 本研究ではこのシリコン切粉を
薄いナノフレーク状に粉砕すれば、
高容量でなおかつ長寿命な
リチウムイオン電池の負極材料になる
ことを見出しました。
 
 さらに、このナノフレーク状シリコンは
炭素と複合化することで更に性能と寿命が
向上し、従来のリチウムイオン電池に
使用されている黒鉛の約3.3倍の容量
(1200mAh/g)を、充放電を800回以上
繰り返しても維持できることが
分かりました。
 
 全世界でのシリコン切粉の発生量は、
リチウムイオン電池負極材料の
世界需要を上回っており、
まさに理想的な資源です。
 
 産業廃棄物を原料に用いることに加えて、
シリコン切粉のナノフレークへの粉砕や、
その後の炭素との複合化には
大量のシリコンでも処理できる
簡便な方法を用いており、
リチウムイオン電池への実装に繋がると
期待されます。
 
 本成果は、平成29年2月20日(月)
午前10時(イギリス時間)に
Scientific Reports誌にて
オンライン公開されました。
---------------------------------------
 
 Good Newsです。
 
 シリコン切粉を、高性能な
リチウムイオン電池負極材料に
リサイクルでき、
しかもシリコン切粉の発生量は、
リチウムイオン電池負極材料の
世界需要を上回っているそうです。
 
 正に理想的なリサイクル材料。
 
 
 魅力的な話しですね。
 今後の展開に期待します。

|

« 分子からなる超伝導体が従来超伝導線材を凌駕する臨界磁場90テスラを達成-分子性固体における超伝導材料開発の新たな指針- | トップページ | 光合成における水分解反応の機構の核心に迫る成果 光化学系 II 複合体が酸素分子を発生する直前の立体構造を解明 -人工光合成触媒開発の糸口に- »

科学関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 廃棄物から高性能リチウムイオン電池負極材料を開発:

« 分子からなる超伝導体が従来超伝導線材を凌駕する臨界磁場90テスラを達成-分子性固体における超伝導材料開発の新たな指針- | トップページ | 光合成における水分解反応の機構の核心に迫る成果 光化学系 II 複合体が酸素分子を発生する直前の立体構造を解明 -人工光合成触媒開発の糸口に- »