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2017年2月17日 (金)

心筋梗塞後の病態を改善する新たな蛋白質の発見~新たな心筋梗塞の治療法の開発に道~

 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 心筋梗塞とは、心臓の細胞に酸素や
栄養を供給する冠動脈が動脈硬化等
によって閉塞する心臓の病気であり、
発症すると、閉塞した冠動脈によって
酸素や栄養が供給されていた
心臓の細胞が死にます。
 
 そして、それら死細胞は、
マクロファージなどの貪食細胞(※1)
によって認識されて食べられます。
 
 もし、死んだ細胞が放置されると、
それら細胞から内容物が流出し、
強い炎症が誘導され病態が悪化して
しまいます。
 
 これまで、心筋梗塞時において、
死んだ細胞が貪食細胞によって
どのようなタンパク質を使って認識され、
食べられているかについては、
ほとんどわかっていませんでした。
 
 九州大学大学院薬学研究院薬効安全性学
分野の仲矢道雄准教授と黒瀬等教授を
中心とする研究グループ
(大阪大学 IFReC の長田重一教授、
 東京医科大学の黒田雅彦主任教授、
 自治医科大学の田中亨教授、
 九州大学大学院薬学研究院の
 井上和秀理事?副学長、津田誠教授、
 福岡大学医学部の井上隆司教授ら)は、
この心筋梗塞時の死細胞の貪食を
MFG-E8(※2)というタンパク質が
促進している事、そしてこの MFG-E8 を
介した貪食が、梗塞部位に多く存在し、
これまで貪食能を持つ事が知られて
いなかった筋線維芽細胞(※3)という
細胞群によって担われていることを
見出しました。
 
 さらに興味深いことに、心筋梗塞を
おこした通常のマウスの心臓に
MFG-E8 を投与すると、心筋梗塞後の
病態が大きく改善されることを
世界で初めて見出しました。
 
 本成果により、MFG-E8の投与は
心筋梗塞の新たな治療法の開発に
繋がることが期待されます。
 
 本研究成果は、平成28年12月5日(月)
午後 4 時(東部標準時)に
米国科学雑誌 「The Journalof Clinical
Investigation」オンライン版に
掲載されました。
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 素晴らしい成果だと思います。
 
 
>これまで、心筋梗塞後の死んだ細胞の
>除去に着目した心筋梗塞の治療法は
>ありません。
 
>また、MFG-E8の主な機能は、
>貪食細胞による死んだ細胞の除去を
>促進であることから、その投与による
>生体への副作用は少ないと
>予想されます。
 
>従って、本研究は心筋梗塞に対する
>新たな治療法や治療薬の開発への
>応用が期待されます。
 
 良いですね。大いに期待したい。

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