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2017年1月25日 (水)

タンパク質中の原子の動き、自由電子レーザーにより動画撮影に成功~光によって水素イオンを輸送する仕組みを解明~

平成28年12月23日
京都大学
理化学研究所
科学技術振興機構(JST)
高輝度光科学研究センター
大阪大学
神戸大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 南後 恵理子
京都大学 大学院医学研究科 客員研究員
兼 理化学研究所 研究員、
岩田 想 京都大学 大学院医学研究科 教授
兼 理化学研究所 グループディレクター、
久保 稔 理化学研究所 専任研究員、
矢橋 牧名 理化学研究所
グループディレクター、
登野 健介 高輝度光科学研究センター
チームリーダー、
中根 崇智 東京大学 大学院理学系研究科
特任研究員、
木村 哲就 神戸大学 大学院理学研究科
特命講師、
溝端 栄一 大阪大学 大学院工学研究科
講師、
Richard Neutze
ヨーテボリ大学 教授等による
共同研究グループは、
X線自由電子レーザー(XFEL)施設
SACLA注1)の高品質な光を利用して、
膜タンパク質注2)が働く瞬間を
原子レベルで、コマ送り動画のように
捉えることに世界で初めて成功しました。
 
 タンパク質は生命において重要な役割を
果たしており、機能する瞬間に
その形を変えることが知られています。
 
 しかし、従来のX線結晶構造解析法注3)
では止まっている状態しか観測できず、
動いている状態の観測は困難でした。
 
 今回の研究では、XFEL施設を用いて
動いているタンパク質の形を調べることが
できる実験装置を開発しました。
 
 また、実際にSACLAの実験で
光を受けて水素イオンを輸送する
膜タンパク質を使い、膜タンパク質が
働く瞬間の動画撮影に成功しました。
 
 今回の成果により、タンパク質が
「動いている」状態を原子レベルで
解明することができるようになりました。
 
 将来的には医薬品や機能性分子の
設計開発など、医療や工業への幅広い応用
も期待されます。
 
 本研究は、2016年12月23日
(日本時間)、米国の科学雑誌
「Science」に掲載されます。
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>「タンパク質中の原子の動きの
>  動画撮影に成功」
 素晴らしいですね。
 
 今までは、「止まっている状態しか
観測できなかった」わけですから、
 
>本成果で得られた技術や実験装置を
>用いて、光で反応する他の種類の
>タンパク質の構造変化も原子レベルで
>解明できるようになります。
 
>今後は光で反応しない酵素や
>受容体など、他のタンパク質についても、
>光を受けてタンパク質と反応する
>化合物を使った実験を通して
>タンパク質の動く様子を捉えることが
>期待できます。
 
 この研究から、医薬品や機能性分子が
開発されることに期待したいと思います。

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