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2017年1月13日 (金)

シリコン基板上に窒化アルミニウム高品質結晶を製膜-安価で高効率な深紫外LEDの実現に大きな一歩-

2016年12月15日
理化学研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所 光量子工学研究領域
テラヘルツ研究グループ テラヘルツ
量子素子研究チームの
平山秀樹チームリーダー、
ティン・トラン国際特別研究員、
前田哲利技師、定昌史研究員らの
研究チーム※は、シリコン(Si)基板上に
窒化アルミニウム(AlN)半導体[1]の
高品質結晶を製膜することに成功しました。
 
 従来よりも安価、かつ高効率で
発光する深紫外LED[2]の実現につながる
成果です。
 
 深紫外LED(波長200~350ナノメートル、
nm、1nmは10億分の1メートル)は、
殺菌・浄水、空気清浄をはじめ、
医療、樹脂硬化形成・接着、印刷など
非常に広い応用分野での利用が
期待されています。
 
 しかし、これまでの深紫外LEDは、
LED内部で発光した光を外部に取り出す
効率(光取り出し効率[3])が低く
かつ高価なため、普及が進んでいません。
 
 製造コストを下げるには、安価で
大面積なSi基板上に半導体材料である
AINを製膜することが考えられます。
 
 しかし、AIN膜表面にクラック
(裂け目)が発生し、かつ貫通転位密度
[4](結晶のずれの密度)が高くなるため、
LEDの発光層の発光効率が低下する
といった問題がありました。
 
 研究チームは、加工シリコン基板
(PSiS)[5]上に厚膜2マイクロメートル
(μm、1μmは100万分の1メートル)の
AlNの結晶成長[6]を行うことにより、
膜表面のクラックの発生を防ぐことに
成功しました。
 
 また、貫通転位密度が大幅に低減し、
発光層の発光効率の向上が可能と
なりました。
 
 実際に、PSiS基板上のAlN結晶の上に
窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系
深紫外LED構造を作製したところ、
波長325nmにおいてLED動作を
確認できました。
 
 Si基板は容易に剥離できるため、
縦型LED構造[7]をとることで、
LEDの光取り出し効率の大幅な向上も
期待できます。
 
 今後、安価かつ高効率な深紫外LEDが
実現すれば、殺菌・浄水、空気清浄を
はじめ、皮膚治療などへの医療用途や、
農作物の病害防止などの農業、
紫外線硬化を用いた樹脂形成、紫外接着、
3Dプリンター、印刷・塗装、
コーティング、高密度光記録、
各種計測など幅広い応用分野での普及
が期待できます。
 
 本研究成果は、英国のオンライン
科学雑誌『Scientific Reports』
(11月7日付け)に掲載されました。
 
 本研究は、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業先端的低炭素化
技術開発(ALCA)「水銀ランプ殺菌灯の
代替となる縦型高効率・深紫外LEDの開発
(研究代表:平山秀樹)」の一環として
行われました。
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 良さそうですね。
 
 研究継続しているようです。
 関連投稿です。
国立研究開発法人 情報通信研究機構
 
 こちらは実製品です。
 
 今度の成果で、さらに安価で高効率な
深紫外LEDが製品化されると良いですね。

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