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2016年11月 6日 (日)

ウイルスワクチンの新戦術-インフルエンザの感染を防ぐ新しい機構を発見-

2016年11月1日
理化学研究所
東京理科大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 インフルエンザウイルスは鼻や喉から
体内に侵入し、気道や肺で爆発的に増殖
することで重篤な肺炎を引き起こします。
 
 また、鳥インフルエンザウイルスなどの
病原性の高いウイルスが、突然変異を
繰り返してヒトに感染できるように
なると、ヒトの間で「パンデミック
(世界的大流行)」が引き起こされ
多くのヒトが死亡すると懸念されるため、
その動向が注視されています。
 
 ワクチンを接種すると、体内で抗体が
作られウイルスの侵入を防ぐことが
できます。
 
 ウイルスに対して高い結合能(親和性)
を持つ抗体は、T細胞とB細胞が協調的に
働く“抗体産生の場”である
「胚中心」で、「リンパ濾胞型ヘルパー
T細胞(TFH細胞)」に助けられて
作られます。
 
 そのため、抗体誘導には胚中心と
TFH細胞の両方が必要であり、効果の高い
ワクチンの開発にはTFH細胞を効率よく
活性化することが重要だと考えられて
きました。
 
 しかし今回、理研を中心とする
共同研究グループは、胚中心やTFH細胞を
持たないマウスに季節性インフルエンザ
ウイルスや高病原性鳥インフルエンザ
ウイルスのワクチンを接種すると、
「免疫グロブリンG2抗体(IgG2抗体)」が
誘導されることを発見しました。
 
 IgG2抗体はインフルエンザウイルス
に対して低親和性ですが、感染を阻止する
作用(中和活性)が高いため
十分な予防効果が期待できます。
 
 また、IgG2抗体はTFH細胞に代わって、
情報伝達物質のインター-フェロンガンマ
(INF-γ)とインターロイキン21(IL-21)
を産生する「Ⅰ型ヘルパーT細胞
(TH1細胞)」によって誘導されることも
分かりました。
 
 すなわち従来の考え方とは異なり、
TH1細胞を活性化することで、
低親和性にも関わらず中和活性の高い
抗体の産生が可能であることが
明らかになりました。
 
 本成果により、毎年のように
新しく出現するインフルエンザウイルス
に対抗するための新しいワクチン戦術
として、TH1細胞を効率よく活性化できる
ワクチンの開発が有効だと考えられます。
 
 
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 免疫の働きについては、まだまだ
未解明な部分がありますね。
 
 
>本成果から、IFN-γとIL-21を産生する
>TH1細胞の助けによって、B細胞から
>産生されるIgG2抗体のウイルス感染防御
>における役割が明らかとなりました。
 
>IgG2抗体は、ウイルスに対する抵抗性が
>高いことが示されています。
 
>そのため、IgG2抗体が有意に産生される
>状況は、ウイルスに対する生体防御に
>有効であると考えられます。
 
>胚中心依存的に起こる抗体産生は、
>親和性を上げるために時間を要し、
>高親和性の抗体ばかりが選択されて
>しまうため、抗体の特異性が限定される
>可能性があります。
 
>一方、TH1細胞は親和性が低い反面、
>広範なウイルスに対応できる抗体を
>敏速に生産できます。
 
>そのため、効率よくTH1細胞を
>活性化できるワクチンの開発は、
>毎年のように新しく出現する
>インフルエンザウイルスに対抗する上で
>新しいワクチン戦術として期待できます。
 
 今回の戦略も良いかもしれませんね。
 今後の展開に期待します。

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