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2016年11月10日 (木)

常圧下で金属伝導性を示す単一の純有機分子の創製に成功

2016.10.12
物質・材料研究機構プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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概要
 
1.国立研究開発法人物質・材料研究機構
  機能性材料研究拠点の小林由佳
 主幹研究員らの研究チームは、
 金属元素を一切含まない単一成分の
 有機分子を新規に設計することにより、
 常圧条件下で、金属伝導性を発現する
 ことに世界で初めて成功しました。
 
 不純物を含まないため、従来の
 有機伝導材料で課題だった耐久性や
 安定性が向上し、太陽電池用電極や
 タッチパネルなどへ応用されることが
 期待されます。
 
2.軽元素のみから構成される有機分子
 そのものは、本来、電気を流すための
 キャリアを持たないため、金属のような
 良導体ではありません。
 
 そこで、これまで50年以上もの間、
 性質の異なる複数の分子を混合して
 個々の分子の性質を変化させ、
 キャリアを発生させる方法を用いて
 純有機金属が合成されてきました。
 
 そのうちの1つに伝導性高分子があり、
 発見した白川英樹博士がノーベル賞を
 受賞したことでも有名です。
 
 しかし複数の分子を混合することから、
 安定性や耐久性に課題が残っています。
 
 一方、単一成分からなる純有機物で
 金属伝導性を発現するためには、
 最低でも1ギガパスカル以上もの
 高圧を印加する必要がありました。
 
 そのため、純有機物から構成される
 単一成分分子を常圧下で金属のような
 伝導性を発現させることは、
 極めて難しいと長年考えられて
 きました。
 
3.今回、本研究チームでは、
 キャリアとなり得るホールを分子自身の
 中に自発的に発生する独自の設計を施し、
 常圧条件下で、幅広い温度範囲で
 金属伝導性を発現する純有機分子の
 創製を実現しました。
 
 この分子 (略称TED) のみからできた
 膜の室温における電気伝導度は
 530 S/cm (S:ジーメンス=抵抗の逆数) 、
 50 Kでは1000 S/cmを示し、有機金属の
 中でもトップクラスに位置します。
 
 さらに、分子軌道計算により、
 TED上のスピン密度には他の
 ラジカル分子に見られない顕著な勾配が
 存在し、この電子状態が単一成分分子で
 金属性を発現する機構に関係する
 可能性を見出しました。
 
4.本発見は、今後、高伝導性有機材料の
 設計において大きく2つの指針を
 提供するものと考えられます。
 
 1つ目は、伝導性を発現させるために
 不純物を添加するポストドープが
 必要なくなり、有機伝導性材料の
 耐久性や化学的安定性を飛躍的に
 向上させる分子設計が可能となること、
 
 2つ目は、印刷技術を転用した方法
  (プリンタブル法) により、簡便に
 高伝導性有機材料を合成できる
 実用的な方向性です。
 
5.本研究は、JSPS最先端次世代研究
 開発プログラム[NEXT]
(研究代表者 : 小林由佳) の一環として
行われた研究をさらに発展させた
ものです。
 
6.本研究成果は、Nature Materials 誌
オンライン版に2016年10月10日
(現地時間) に掲載されます。
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 素晴らしい成果です。
 
 
>本発見は、今後、高伝導性有機材料の
>設計において大きく2つの指針を
>提供するものと考えられます。
 
>1つ目は、伝導性を発現させるために
>不純物を添加するポストドープが
>必要なくなり、有機伝導性材料の
>耐久性や化学的安定性を飛躍的に
>向上させる分子設計が可能となること、
 
>2つ目は、印刷技術を転用した方法
> (プリンタブル法) により、
>簡便に高伝導性有機材料を合成できる
>実用的な方向性です。
 
 大いに期待したい。

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