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2016年11月30日 (水)

ゼオライトを秒速で合成 ~ゼオライトの合成時間を1/1000以下に短縮

016年11月29日
国立大学法人 東京大学
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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発表のポイント
 
◆石油化学触媒として広く用いられる
 ゼオライトの超高速合成技術
 (二液混合型流通合成システム)の
 開発に成功した。
 
◆これにより、今まで数時間~数日
 要していたゼオライトの合成を
 数秒で達成した。
 
◆ゼオライトを低コストおよび高効率で
 合成することができるようになり、
 化学工業プロセスの変革に
 貢献されることが期待される。
 
 
-----
 石油の接触分解やイオン交換材、
吸着材、水エタノール分離膜などに
用いられるゼオライト(注1)は、
化学工業プロセスでは重要な役割を
担っている。
 
 このゼオライトを工業的に利用する
ためには水熱合成(注2)が必要で、
一般的に数時間~数日かかる。
 
 これが量産の際の大きな壁となっている
ため、合成時間の短縮化に関する技術開発
は重要である。
 
 東京大学大学院工学系研究科の
脇原徹准教授・大久保達也教授らは
これまでの一連の研究において、
ゼオライトの結晶化操作を適切に行うこと
で、ゼオライトの高速合成が可能である
ことを示してきた(図1)。
 
 しかし、これまでの研究では最速でも
数分~10分程度の水熱合成時間が必要で
あり(これでも十分インパクトのある成果
であった)、さらなる短縮化が望まれて
いた。
 
 そこで、今回ゼオライトの一般的な
結晶化操作法であるバッチ式水熱合成法
(注3)ではなく、二液混合型流通合成
システムを開発した。
 
 具体的には、ゼオライト合成混合液と
熱水を直接接触、瞬時に合成に適した温度
(~300℃)に昇温させることにより、
ゼオライトを数秒~10秒で合成させる
革新的ゼオライト製造プロセスである
(図2)。
 
 この技術により、工業的に利用価値の
極めて高いMFI型ゼオライトをわずか6秒で
合成することに成功した。
 
 なお、結晶性の高いゼオライトが
得られたことを確認するため
生成物の原子間距離を正確に確認する
必要があり、SPring-8(注4)の
ビームラインBL04B2にて精密に解析
(二体分布解析)を行った。
 
 ゼオライトは、今日では年間100万トン
以上製造されている。
 
 原油中の重質成分をガソリンや
ナフサに転換し、今日のエネルギー供給、
化成品製造を可能にしている触媒の
主要成分である。
 
 また、近年は自動車のNOx排出規制に
対応する触媒として実用化された。
 
 すなわち、ゼオライトは持続的社会の
形成のために大きく貢献する
キーマテリアルである。
 
 本研究成果が、ゼオライトの
高効率・低コストでの生産を可能とした
ことで、化学工業プロセスに大きな変革を
もたらす可能性がある。
 
 さらにエネルギー関連分野
(石油やバイオマス)、
環境関連分野(自動車関連分野、発電分野)
などへの波及も容易になるものと思われる。
 
 なお研究成果の一部は
NEDO委託事業「エネルギー・環境
新技術先導プログラム/超精密原子配列
制御型排ガス触媒の研究開発」に
よるものです。
 
 また、SPring-8の長期課題2015A0115の
成果の一部です。
 
 本研究成果は、
「PNAS(Proceedings of the National
  Academy of Sciences of the United
  States of America
:米国科学アカデミー紀要)」に
日本時間2016年11月28日の週に
掲載されました。
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>ゼオライトは、今日では年間100万トン
>以上製造されている。
>原油中の重質成分をガソリンやナフサに
>転換し、今日のエネルギー供給、
>化成品製造を可能にしている触媒の
>主要成分である。
 
 そんなに製造されているとは
知りませんでした。
 
 知ったのは、例の福島原発事故で
放射性物質を吸着出来る物質の一つ
として初めて知りました。
 
 こんなに生産されているのなら
今回の成果は素晴らしいということ
になりますね。
 
 
>近年のゼオライト合成分野に対する
>要求は高く、
>とりわけ高結晶性ゼオライトを
>短時間で製造するプロセスの確立が
>強く求められている。
 
>今後は、さらなる高速化、
>他のゼオライトへの展開を考えている。
 
>特に本実験の成功の要因の一つとして
>結晶化開始直前まで反応混合物を
>熟成させる必要があった。
 
>このような前処理を必要とせず、
>ダイレクトに本装置に
>原料を投入・ゼオライト合成が
>できれば、極めて簡易にゼオライトを
>生産できることが期待される。
 
 今後に大いに期待しましょう。

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