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2016年10月17日 (月)

ウイルス由来のRNAを感知し自然免疫受容体 Toll様受容体7(TLR7)が活性化する機構を解明~TLR7標的のアレルギー治療薬設計等に期待~

平成28年10月12日
東京大学
大阪大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○体内に侵入してきたウイルス由来の
 RNAを感知して自然免疫応答を
 引き起こすToll様受容体7
(TLR7)と呼ばれるタンパク質の
 立体構造を明らかにしました。
 
○TLR7が2か所の部位で
 ウイルス由来のRNAと低分子リガンド
 注1)を同時に認識し、活性化される
 詳細な機構を明らかにしました。
 
○TLR7を標的とした
 ワクチンアジュバント注2)や
 ウイルス感染やアレルギーの治療薬
 などの設計につながることが
 期待されます。
 
 
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 東京大学 大学院薬学系研究科の
清水 敏之 教授、張 志寛 大学院生、
大戸 梅治 准教授、
東京大学 医科学研究所の三宅 健介 教授、
柴田 琢磨 助教、
大阪大学 大学院工学研究科の内山 進
准教授、
首都大学東京 理工学研究科の礒辺 俊明
教授、田岡 万悟 准教授らの
研究グループは、微生物の侵入を感知して
免疫系を活性化するTLR7タンパク質の
詳細な立体構造を世界で初めて明らかに
しました。
 
 細菌やウイルスなどの病原体に対する
感染防御機構として、自然免疫機構が
備わっており、TLR受容体が主に
その役割を担っています。
 
 TLR7はTLR受容体の1つで、
ウイルス由来の一本鎖RNAまたは
合成低分子リガンドを感知することで、
インターフェロン注3)などの産生を
促します。
 
 そのためTLR7は、抗ウイルス薬、
ワクチン、抗がん剤などのターゲット
として注目されていましたが、
リガンドを感知する具体的な機構は
不明でした。
 
 研究グループは、TLR7が、
一本鎖RNA(polyU注4))と
2種類の低分子リガンド
(グアノシン注5)、
loxoribine注6))のいずれか、
あるいは低分子リガンドR848注7)に
結合した複合体の立体構造を明らかに
しました(図1)。
 
 その結果、TLR7はそれぞれの
リガンドと2:2(または2:2:2)の
複合体を形成することで、活性化型の
2量体となることが明らかになりました。
 
 グアノシン、loxoribine
およびR848などの低分子リガンドは
2量体の界面に位置する第1結合部位に、
polyU一本鎖RNAはTLR7の
リング型構造の凹面の第2結合部位に
位置していました(図2)。
 
 構造解析と生化学的実験の結果、
TLR7はこれらの2種類のリガンド
によって協調的に活性化されることが
明らかになりました。
 
 これらの知見は、
ワクチンアジュバントの開発や
ウイルス感染やアレルギーなどの
治療薬の設計につながることが
期待されます。
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 自然免疫の世界も、まだまだ未解明な
部分が多いようですね。
 
 
>これまでTLR7は一本鎖RNAを
>認識する受容体だと考えられて
>いましたが、今回の結果から
>2つのリガンド結合部位を用いて
>2種類のリガンドを同時に認識し
>活性化することが明らかになりました。
 
>このことから、今後は2つの作用点で
>制御するという新しい視点で、
>TLR7をターゲットとした
>治療薬開発が進むと期待されます。
 
 更なる研究の進展に期待しています。

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