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2016年10月15日 (土)

世界最高の検出感度を示すフッ化物イオンセンシング材料 ポリボロシロキサンの創出に成功

2016/09/28
北陸先端科学技術大学院大学
プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
 デンタルケアなどライフサイエンス分野
で高い有用性を有しながら
人体に有害なフッ化物イオンの
センシングにおいては、数十年来世界中で
活発な研究が進められ、
これまで一定以上の検出感度が得られて
いなかったが、このたび松見研究グループ
は、新たにポリボロシロキサンを創出し、
一般的な商用系(LaF3)センシング材料を
用いた検出感度(10-6 Mオーダー)程度を
大幅に上回る、世界最高の検出感度
(10-10 Mオーダー)を水溶液系において
達成することに成功した。
 
 本材料は、塩化物イオン、
臭化物イオン等の負イオンへの検出能力と
比較して、フッ化物イオンに対して
極めて高い検知能力を示した。
 
 また、ケイ酸ガラス構造に対応した
一次元構造高分子として
ポリシロキサンが広く知られているが、
本研究ではケイホウ酸ガラスに対応した
一次元構造高分子の合成に成功した。
 
 
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 北陸先端科学技術大学院大学の
先端科学技術研究科 /物質化学領域 の
松見紀佳教授、
ラーマン ヴェーダラージャン助教、
プーフップ プニート博士らの
研究グループでは、世界最高の検出感度を
示す フッ化物イオンセンシング材料の
創出に成功した。(図1)
 
 フッ化物イオンはデンタルケアや
骨粗鬆症の治療に用いられており、
米国においては水道水に添加されている
など、ライフサイエンス分野において
重要な役割を果たしている。
 
 一方で急性毒性などの報告もあり、
その毒性からWHOが推奨濃度範囲内での
使用を推奨しており環境的モニタリングの
必要性が認められている。
 
 また、水資源の確保が重要な社会問題
となっている南アジアにおいて
土壌に含まれるフッ化カルシウム
によりフッ化物イオンに汚染されている
地下水を判別することへの技術的な
ニーズも高い。
 
 フッ化物イオンのセンシングにおいては
数十年来世界中で活発な研究が展開されて
きた。
 
 フッ化物イオンは水和エンタルピーが
高く、水中における効果的なセンシングが
難しいことが技術的課題であった。
 
 一方で、三級ホウ素化合物と
フッ化物イオンとの強い相互作用が
水中におけるフッ化物イオンの
センシングを可能にすることが
見出されてきた。
 
 今回報告したポリボロシロキサン
においては、ポテンショメトリー測定
により、10-10 Mの感度の
フッ化物イオンをセンシング可能である
ことが見出された。
 
 また、他のアニオン種に対する選択性も
極めて高い(塩化物イオンに対して約60倍、
臭化物イオンに対して約30倍の選択性)
ことが明らかとなった。
 
 ポリボロシロキサンのモデル構造の
DFT計算によればO-Si-O-B-O-型構造
においてはホウ素原子が高分子鎖の外部に
突き出たコンフォメーションをとり、
フッ化物イオンの攻撃を受けやすい環境
にあることが示された(図2)。
 
 これまでケイ酸ガラス構造に対応した
一次元構造高分子として
ポリシロキサン[-Si-O-]nが
広く知られていたが、ケイホウ酸ガラスに
対応した一次元構造高分子である
ポリボロシロキサン[-Si-O-B-O-]nは
これまで知られていなかった。
 
 本研究では、メシチルボランと
ジフェニルシランジオールとを
ロジウムもしくはパラジウム触媒の存在下
で脱水素カップリング重合することで、
新規高分子であるポリ(ボロシロキサン)
を合成することに成功した(図1)。
 
  さらに、各種のNMRやモデル化合物の
構造解析により、得られた
ポリ(ボロシロキサン)は交互共重合体
であることが分かった。
 
 また、予想に反してこのポリマーは
主鎖中にB-O結合を有している
にも関わらず空気や水に対して
高い安定性を示した。
 
 モデル化合物についてDFT計算を
実施したところ、Si-O結合の
pπ-dπ相互作用が隣接のホウ素原子まで
影響を与え、B-O結合の電子状態を
変化させていることが示唆された。
 
 成果は米国化学会のACS Sensors
オンライン版(2016年の刊行により、
2018年に最初のインパクトファクターが
発表される予定)に9/22に公開された。
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 新たにポリボロシロキサンを創出し、
世界最高の検出感度(10-10 Mオーダー)を
水溶液系において達成することに
成功した。
 とのこと。素晴らしいです。
 
>急性毒性などの報告もあり、
>その毒性からWHOが推奨濃度範囲内での
>使用を推奨しており
>環境的モニタリングの必要性が
>認められている。
 その意味でセンシング感度が重要
なんですね。
 
 
>本材料系を用いたセンシングデバイスを
>最適化することにより、
>汎用のフッ化物イオンセンシング
>デバイスを代替する系の構築につながる
>と期待できる。
 
>ヘルスケア分野において
>有用なセンシングデバイスとして
>のみならず、南アジア諸国における
>水資源の問題にも資することが
>期待される。
 
 期待しましょう。

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