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2016年10月20日 (木)

ヒト多能性幹細胞由来ドパミン神経前駆細胞を高効率で濃縮する手法を開発

2016年10月14日
京都大学iPS細胞研究所CiRA(サイラ)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○中脳マーカーと脳の腹側マーカーを
 組み合わせることにより
 中脳腹側細胞注1の選別を実現した。
 
○中脳腹側細胞に特異的に発現する
 新たな細胞表面抗原注2としてLRTM1注3
 を同定した。
 
○抗LRTM1抗体を用いたセルソーティング
 注4(細胞選別)によって
 ドパミン神経前駆細胞注5を濃縮し、
 動物実験において安全かつ効率的な
 細胞移植を可能にした。
 
 
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要旨
 
 佐俣文平特定研究員および髙橋淳教授
(京都大学CiRA臨床応用研究部門)らの
研究グループは、株式会社カン研究所と
共同研究を行い、ヒト多能性幹細胞由来の
ドパミン神経前駆細胞を高効率で濃縮する
手法を開発しました。
 
 ヒト多能性幹細胞を分化誘導すると、
その細胞集団は目的細胞以外も混在した
不均質な細胞集団であるため移植後の
生着や増殖のコントロールが難しいと
されてきました。
 
 そこで均一な細胞集団を得るための
手法の一つとして、セルソーティング
(細胞選別)があります。
 
 髙橋教授らの研究グループは、
中脳腹側に存在するドパミン神経前駆細胞
の特異的マーカー(目印)を同定するため
に、中脳腹側細胞の遺伝子の発現を調べる
ことで、新しい細胞表面抗原として
LRTM1を同定しました。
 
 抗LRTM1抗体を用いた細胞選別を行う
ことにより、ヒト多能性幹細胞から
分化させた細胞集団のうち、
目的のドパミン神経前駆細胞の割合を
80%以上に高めることに成功しました。
 
 さらに、選別後の細胞をパーキンソン病
モデル動物に移植することによって、
安全かつ効率的なドパミン神経細胞の移植
が可能であることを明らかにしました。
 
 本研究成果は2016年10月14日18時
(日本時間)に英国科学誌
「Nature Communications」で
オンライン公開されました。
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 Good Newsです。
 
 
>本研究では、中脳底板細胞で特異的に
>発現する細胞表面抗原であるLRTM1を
>同定し、同マーカーを指標にした
>細胞選別によって、安全性と有効性に
>優れたドパミン神経前駆細胞を濃縮
>できることを明らかにしました(図4)。
 
>本研究成果によってパーキンソン病に
>対する細胞移植治療技術開発の促進が
>期待されます。
 
 パーキンソン病治療、なかなか良い成績
をあげられていない現状の中、期待したい
研究ですね。

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