白金使用量を約80%削減した燃料電池の電極を開発
2016年9月20日 大阪大学研究情報
詳細は、リンクを参照して下さい。
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本研究成果のポイント
・架橋高分子※1 材料上に単原子状に
分散担持した白金が、高効率な
水素酸化触媒として機能することを
発見し、白金触媒量が極限まで低減
された固体高分子型燃料電池※2 の
燃料極の開発に成功
・固体高分子型燃料電池は、家庭用定置型
や自動車などへの実用的利用が進んで
いるが、触媒材料は白金に限られて
おり、使用量低減は喫緊の課題だった
・環境調和性の高いクリーンな
発電システムである
固体高分子型燃料電池などの
次世代発電システムへの普及促進が
期待される
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概要
大阪大学太陽エネルギー化学
研究センターの神谷和秀助教
・中西周次教授らは、東京大学、
国立研究開発法人物質・材料研究機構、
パナソニック株式会社と共同で、
白金が単原子状態で分散担持された
共有結合性トリアジン構造体
(Pt-CTF)※3 が優れた水素酸化触媒
として機能することを見出し、
これを元に、固体高分子型燃料電池の
燃料極を開発しました(図1左) 。
固体高分子型燃料電池は、
家庭用定置型や自動車などで実用化が
進んでいますが、水素酸化反応を
実用的な速度と効率で進行させる
触媒材料は、希少で高価な白金に
限られており、その使用量の低減は
喫緊の課題でした。
この新規に開発した燃料極
においては、白金ナノ粒子触媒が
担持された従来の燃料極と比較して、
約80%の白金使用量の低減が
実現されました。
この成果は、次世代の発電システム
として注目を集めている
固体高分子型燃料電池の普及促進へと
繋がることが期待されます。
本研究成果は、ドイツ化学会誌
「Angewandte Chemie」に、9月16日(金)
(ドイツ時間)にオンライン
公開されました。
また同誌のHotpaper(編集委員が特に
重要性を認めた論文)にも選出されました。
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Good ! ですね。
Hotpaperに選出だそうです。
>今後、本研究成果を元に実用化開発を
>進めることで、クリーンな発電システム
>である固体高分子型燃料電池の
>社会への普及促進が期待されます。
>また、白金は燃料電池の電極触媒
>としてだけでなく、自動車排ガスの
>清浄化など環境・エネルギーに係る
>多くの反応に対して唯一無二の
>実用的触媒材料であることから、
>本研究で得られた知見が
>様々なデバイス・装置へと
>水平展開されることが期待されます。
大いに期待したい。
関連投稿です。
九州大学プレスリリース
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