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2016年8月24日 (水)

超高精度の「光格子時計」で標高差の測定に成功 -火山活動の監視など、時計の常識を超える新たな応用に期待- : 物理工学専攻 香取秀俊 教授ら

2016.08.16
東京大学工学部プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 JST 戦略的創造研究推進事業および
文部科学省 光・量子科学研究拠点形成
に向けた基盤技術開発事業において、
東京大学 大学院工学系研究科の
香取 秀俊 教授
(理化学研究所 香取量子計測研究室
 主任研究員、光量子工学研究領域
 時空間エンジニアリング研究チーム
 チームリーダー)、
国土地理院の研究グループは、
直線距離で約15キロメートル離れた
東京大学(東京都文京区)と
理化学研究所(埼玉県和光市)に
光格子時計を設置し、
2台の時計の相対論的な時間の遅れを
高精度に測定することで、
2地点間の標高差を5センチメートルの
精度で測定することに成功しました。
 
 光格子時計は、香取教授が考案した
高精度な原子時計で、
次世代の「秒」の定義の有力候補として
世界中で研究されています。
 
 「秒」の定義に求められる時計の
「再現性」を担保するためには、
その時計の「振り子の振動数」を
他の研究機関に伝送し、複数の研究機関で
「振り子の振動数」の同一性を検証する
ことが重要です。
 
 一方、アインシュタインの
一般相対性理論によれば、
異なる高さに置かれた2台の時計を
比較すると、低い方の時計は
地球重力の影響を大きく受け、
ゆっくりと時を刻みます。
 
 この結果、超高精度な時計の遠隔比較
では、時計の再現性の確認にとどまらず、
従来の時計の概念を超える
「相対論的な効果を使った標高差測定
(相対論的測地)」という応用を
拓きます。
 
 本研究グループは、先行して開発した
「低温動作ストロンチウム光格子時計」を
東大に1台、理研に2台設置して
光ファイバーでつなぎ、遠隔地比較を
行いました。
 
 同じ高さに置かれた理研の2台の
光格子時計の振り子は
1×10-18で振動数が一致しました。
一方、東大の時計の振り子は
理研よりも1,652.9×10-18
だけゆっくり振動し、これから2地点の
標高差1,516センチメートルが
算出されました。
 
 この「相対論的測地」の結果は、
国土地理院が行った水準測量と
5センチメートルの誤差範囲内で一致し、
世界で初めて遠隔地時計比較による
センチメートルレベルの標高差計測に
成功しました。
 
 水準測量では、短区間の測定を
繰り返して測量するため、
長距離では誤差が累積しますが、
時計比較の精度は距離が長くなっても
累積誤差は生じません。
 
 論文では、各地に設置した
光格子時計が、将来、新たな高さ基準
「量子水準点」を形成し、
それらをネットワーク化する
「時計のインターネット」の手法を
提案しています。
 
 これにより、火山活動による地殻の
上下変動の監視や、
GNSS(全球測位衛星システム)と
補完的に利用できる超高精度な
標高差計測システムの確立など、
安全・安心に向けた社会基盤への実装も
期待されます。
 
 本研究は、内閣府 最先端研究開発支援
プログラムの一部支援を受けて
行われました。
 
 本成果は、2016年8月15日
(英国時間)発行の英国科学誌
「Nature Photonics」
オンライン版に掲載されます。
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>世界で初めて遠隔地時計比較による
>センチメートルレベルの標高差計測に
>成功しました。
 
 素晴らしい。
 
 
>水準測量では、短区間の測定を
>繰り返して測量するため、
>長距離では誤差が累積しますが、
>時計比較の精度は距離が長くなっても
>累積誤差は生じません。
 
>論文では、各地に設置した光格子時計
>が、将来、新たな高さ基準
>「量子水準点」を形成し、
>それらをネットワーク化する
>「時計のインターネット」の手法を
>提案しています。
 
>これにより、火山活動による
>地殻の上下変動の監視や、
>GNSS(全球測位衛星システム)と
>補完的に利用できる
>超高精度な標高差計測システムの確立
>など、安全・安心に向けた社会基盤への
>実装も期待されます。
 
 
 光格子時計の精度、素晴らしいですね。
 次世代の「秒」の定義の有力候補に
あげられているようです。
 
 今回の応用も含めて、今後に大いに
期待したい。

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