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2016年8月 3日 (水)

熱を流すだけで金属が磁石になる現象を発見

平成28年7月26日
科学技術振興機構(JST)
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
(WPI―AIMR)
東北大学 金属材料研究所
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○磁石の性質は熱の流れとは無関係で、
 温度を上げても下げても、磁石ではない
 金属が磁石になることはないと
 考えられていた。
 
○熱を流すだけで、磁石ではない金属が
 磁石に変わる現象を世界で初めて
 観測した。
 
○新しい磁化測定法として、電子のスピン
 を使った熱利用技術や省エネ社会の
 発展に貢献する。
 
 
-----
 JST 戦略的創造研究推進事業
において、東北大学 金属材料研究所の
ダジ・ホウ 研究員、
東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
(WPI-AIMR)/金属材料研究所の
齊藤 英治 教授らは、
通常の状態では磁化注1)(磁石の性質)
を持たない金属が、熱を流すだけで
磁石の性質を示す現象を発見しました。
 
 金をはじめとする磁石ではない金属は、
温度を上げても下げても磁石になることは
ないと考えられていました。
 
 本研究グループは、
イットリウム鉄ガーネット(YIG)注2)
という磁石の上に金の薄膜を張り付け、
この試料の表と裏の間に温度勾配を作る
ことで、熱が流れている状態
(熱非平衡状態注3))にしました。
 
 試料に対して垂直に磁場を加えながら、
面に沿って金薄膜に電流を流し、
電流と直角の方向に付けた電極に生じる
ホール電圧注4)を測定しました。
 
 その結果、温度勾配に比例した大きさの
ホール電圧が金薄膜に生じることを
発見し、この現象を
「非平衡異常ホール効果」と命名しました。
 
 これは温度勾配によって金薄膜に
磁化が生じている証拠であり、
熱を流すだけで金属が磁石になることを
世界で初めて観測したことになります。
 
 この現象は、単位体積あたり
100万分の1電磁単位注5)という
極めて微弱な磁化を電気信号として
観測できることから、熱非平衡状態
での新しい磁化測定法として
利用できます。
 
 また、熱と磁化との関係の理解が深まる
ことで、熱を利用した
スピントロニクス注6)の研究が進み、
日常生活で捨てられている熱を削減
および利用する省エネ社会への貢献が
期待されます。
 
 本研究は、東北大学 金属材料研究所
/デルフト工科大学の
ゲリット・バウアー 教授らと共同で
行ったものです。
 
 本研究成果は、2016年7月26日
(英国時間)に英国科学誌
「Nature
  Communications」の
 オンライン版で公開されます。
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 不思議です。
 
 
>非平衡異常ホール効果は、
>単位体積あたり100万分の1電磁単位
>という微小な磁化を電気信号として検出
>できるので、さまざまな材料における
>熱非平衡状態での磁化特性を評価
>および解明する新しい磁化測定法として
>利用できます。
 
>さらに、このような磁化測定法の確立
>による温度勾配(熱流)と磁化との関係
>の解明は、熱流を使った
>スピントロニクスの研究を加速させ、
>日常生活で捨てられている熱を
>削減および利用する省エネ社会の発展に
>貢献するものと考えられます。
 
 新しい磁化測定法としての利用
のみならず、熱流を使った
スピントロニクスの研究を加速させる
ことが出来ると素晴らしいですね。

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