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2016年8月16日 (火)

細胞を使わない膜タンパク質の合成技術-ヒトの膜タンパク質などを標的とした新薬の創出が加速-

2016年8月1日
理化学研究所
日本医療研究開発機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 理化学研究所(理研)横山構造生物学
研究室の横山茂之上席研究員らと、
ライフサイエンス技術基盤研究センター
タンパク質機能・構造研究チームの
篠田雄大研究員、
白水美香子チームリーダー、
染谷友美上級研究員らの
共同研究グループ※は、無細胞タンパク質
合成法[1]を応用して、高品質の
膜タンパク質を高収率で生産できる
新しい技術を開発しました。
 
 膜タンパク質は、細胞膜に
埋め込まれた状態で存在し、細胞内外の
情報や物質の交換など重要な機能を
果たしており、創薬研究の重要な標的
でもあります。
 
 一方で、従来の膜タンパク質合成法
では、細胞での発現と細胞膜からの
可溶化[2]が容易ではなく、
それを乗り越える技術開発が求められて
いました。
 
 今回、共同研究グループは、
膜タンパク質が細胞で合成され、
細胞膜に埋め込まれながら立体構造を
形成する過程を、細胞を使わず、
試験管内でほぼ再現する新しい技術を
開発しました。
 
 この膜タンパク質の無細胞合成法では、
膜タンパク質は、リボソーム
(タンパク質を合成する場である
細胞小器官)によって合成されると、
脂質と相互作用しつつ、立体構造を
形成して、その周りに細胞膜と同じような
脂質で構成される脂質二重膜構造の
小さな膜断片を形成します。
 
 膜タンパク質は、膜断片に組み込まれた
状態のままであるため、さまざまな
単離・精製法が適用可能で、高純度の
精製標品を得ることができます。
 
 これにより、これまでは立体構造や
活性を犠牲にしなくては調製できなかった
難しい膜タンパク質を、
界面活性剤[3]による可溶化という過程を
一度も経ることなく、正常な状態で
高純度に大量調製し、さらに、
結晶化、薬剤との結合の解析などが
可能になり、抗体を作る免疫原としても
用いることができます。
 
 この技術により、膜タンパク質機能の
本質的な理解や、新しい低分子医薬や
抗体医薬の創出などに幅広く貢献でき、
膜タンパク質の基礎研究から産業応用まで
パラダイムシフトを引き起こすと
期待できます。
 
 本研究は、文部科学省
「ターゲットタンパク研究プログラム」
(2007~2011年度)、
文部科学省および日本医療研究開発機構
(AMED)「創薬等ライフサイエンス研究
支援基盤事業(創薬等支援技術基盤
プラットフォーム事業)」
(2012~2016年度)、
日本学術振興会(JSPS)
「科学研究費助成事業(科研費)」
(2013~2016年度)の支援により
行われました。
 
 成果は、英国のオンライン科学雑誌
『Scientific Reports 』(7月28日付け)
に掲載されました。
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>今回開発したS-MF法により、
>自然な状態の膜タンパク質を
>高純度で大量かつ迅速に得ることが
>可能になりました。
 良いですね。
 
 
>膜タンパク質の立体構造情報は、
>膜タンパク質の機能を
>立体構造のレベルで深く理解するために
>重要であり、これまで試料調製が
>不可能だった重要な膜タンパク質の
>構造生物学に道を拓く成果です。
 
>またS-MF法で得られる膜タンパク質は、
>抗体医薬[12]の開発に必要な
>モノクローナル抗体などを得るための
>免疫原としての利用や、低分子医薬の
>スクリーニングにも応用できるため、
>膜タンパク質に対する新薬の開発が
>加速すると期待できます。
 
>本研究成果により、膜タンパク質機能の
>本質的な理解や、新しい低分子医薬、
>抗体医薬の創出などに幅広く貢献でき、
>膜タンパク質の基礎研究から
>産業応用までパラダイムシフトを
>引き起こす基盤技術となることが
>期待できます。
 
 大いに期待しましょう。

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