« 熱を流すだけで金属が磁石になる現象を発見 | トップページ | 治療が難しいと考えられてきた慢性期脊髄損傷 神経幹細胞移植とリハビリテーションの併用が効果的 »

2016年8月 4日 (木)

組織の再生における線維芽細胞増殖因子(Fgf)シグナルの働きを解明―ほ乳類の手足の再生に手がかり―

2016.07.19 東京工業大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
---------------------------------------
要点
 
○私たちほ乳類は手足などの器官を
 再生することはできないが、
 一部の両生類や魚類は、四肢やヒレを
 失っても元通りに再生できる。
 
○このような大がかりな器官そのものの
 再生を可能にしている
 線維芽細胞増殖因子(Fgf)シグナル
 [用語1]の働きを解明した。
 
○まず傷ついた上皮で活性化される
 上皮Fgfが、未分化細胞
 (再生芽[用語2])を切断面に誘導し、
 さらに再生芽で活性化される
 別のFgfが細胞増殖を促すという
 2段階の働きで再生が進むことを
 突き止めた。
 
 
-----
概要
 
 東京工業大学生命理工学院の
柴田恵里大学院生と川上厚志准教授らの
研究グループは、小型熱帯魚の
ゼブラフィッシュのヒレをモデルとした
再生メカニズムの研究から、
組織再生におけるFgfの働きには、
再生芽を誘導する上皮Fgfと、
細胞増殖を活性化する再生芽Fgfの2つが
あり、これらが協調することで、
組織再生が進むことを解明した。
 
 組織再生にFgfシグナルが必要なことは
知られていたが、どのような役割を
果たしているのか不明であった。
 
 本研究は、20以上あるFgfのうち、
再生初期に上皮に発現するFgf20aが
間充織細胞[用語3]を再生芽へと誘導し、
次に、再生芽が形成されると、
Fgf3などの再生芽Fgfが細胞増殖を
活性化することを解明した。
 
 この成果は、ほ乳類の手足再生を
実現するための重要な手がかりとなる
ことが期待される。
 
 研究成果は、英国の生命科学誌
「ディベロップメント(Development)」
のオンライン版に2016年7月5日に
公開された。
 
 
プレスリリース
---------------------------------------
 
 組織再生医療さらに進みそうです。
 
 
>本研究の結果、傷ついた上皮での
>Fgf20aの活性化が、再生芽を誘導する
>カギであることが明らかになった。
 
>上皮から始まり細胞増殖に至る
>Fgfの2段階の作用が、魚類などで
>組織再生を可能にしている重要な
>メカニズムの1つと考えられる。
 
>Fgf20もFgf3もすべての脊椎動物種に
>存在している。
 
>どのようにして傷ついた上皮が
>Fgf20a活性化を起こすのか?
>細胞増殖から、形態や機能の再生へと
>至る仕組みは?
>これらを解明していくことで、
>ヒトをはじめとするほ乳類での
>手足再生も現実的となることが
>期待される。
 
 期待しましょう。

|

« 熱を流すだけで金属が磁石になる現象を発見 | トップページ | 治療が難しいと考えられてきた慢性期脊髄損傷 神経幹細胞移植とリハビリテーションの併用が効果的 »

医療関連ニュース」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 組織の再生における線維芽細胞増殖因子(Fgf)シグナルの働きを解明―ほ乳類の手足の再生に手がかり―:

« 熱を流すだけで金属が磁石になる現象を発見 | トップページ | 治療が難しいと考えられてきた慢性期脊髄損傷 神経幹細胞移植とリハビリテーションの併用が効果的 »