胃がんの新規抗がん物質を同定―ゴルジ体を標的とした新しい治療法開発へ道―
2016年7月2日
公益財団法人がん研究会
学校法人東京理科大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
詳細は、リンクを参照して下さい。
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ポイント
・M-COPA(2-メチルコプロフィリンアミド
[AMF-26])は、がん研究会
がん化学療法センターが以前見出し、
その後東京理科大学が人工合成に成功
した新規ゴルジ体阻害剤であり、
一部のがん細胞に強力な抗がん活性を
示すことが知られていました。
・がん研究会がん化学療法センター
分子薬理部の旦(だん)慎吾副部長、
大橋愛美主任研究助手、
東京理科大学理学部第一部応用化学科
・椎名勇教授、ならびに、
エーザイ株式会社の共同研究チームは、
今回、METと呼ばれるHGF(ヒト肝細胞
増殖因子)に対する
受容体型チロシンキナーゼ(RTK)を
発現する難治性胃がん
(MET陽性胃がん)に対して、
M-COPAが抗がん効果を発揮することを
明らかにしました。
・METタンパク質は、ゴルジ体により
プロセッシングされ、細胞膜表面に
輸送されますが、M-COPA投与により
METタンパク質のプロセッシングや
細胞表面への輸送が阻害され、
ゴルジ体阻害の概念実証(POC)が
確立されました。
・本剤は、MET陽性胃がんだけでなく、
FGFR2(線維芽細胞増殖因子受容体2)と
呼ばれるRTKを発現する別の難治性
胃がんに対しても同様な機序
で抗がん効果を示しました。
・本研究成果により、チロシンキナーゼ
阻害剤やモノクローナル抗体薬とは
異なる、RTK依存がんの
新たな治療アプローチとして、
ゴルジ体阻害剤開発の加速化が
期待されます。
・本研究成果は、米国のがん研究専門誌
「Cancer Research」7月1日号に
掲載されました。
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概要
がん研究会がん化学療法センター
分子薬理部の旦(だん)慎吾副部長、
大橋愛美主任研究助手、
東京理科大学理学部第一部応用化学科
・椎名勇教授、
ならびに、エーザイ株式会社の
共同研究チームは、同チームが以前
人工合成に成功した新規ゴルジ体阻害物質
M-COPAを用いて、進行胃がんの
予後不良因子として知られる
MET陽性胃がんの治療実験に成功し、
ゴルジ体阻害物質が難治性胃がんに対する
新規抗がん剤として応用できる可能性を
世界で初めて明らかにしました。
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>ゴルジ体阻害物質が難治性胃がん
>に対する新規抗がん剤として
>応用できる可能性を世界で初めて
>明らかにしました。
良いですね。
>進行・再発胃がんの薬物治療は、
>TS-1、白金製剤、タキサンを用いた
>化学療法が中心であり、
>決して満足できる治療成績では
>ありません。
>HER2陽性胃がんでハーセプチン併用療法
>が用いられているものの、
>HER2以外のRTK陽性胃がんでは
>使うことができません。
>本研究成果により、予後不良な
>MET陽性胃がん、FGFR2陽性胃がん
>に対して、ゴルジ体阻害剤により
>RTKの細胞表面発現阻害を介した
>治療法が実現されたら、
>RTKの酵素活性を抑制する
>チロシンキナーゼ阻害剤や、
>ハーセプチンのような抗体薬とは
>異なる、RTK依存がんの
>新たな治療アプローチとして
>注目されます。
>また、胃がん以外にも、EGFR遺伝子変異
>肺がんなど様々ながん種のRTK依存に
>対する治療オプションとしての
>可能性も期待され、今後の研究開発の
>進展が期待されます。
大いに期待したいと思います。
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