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2016年7月 4日 (月)

肺腺がんの転移と補助化学療法の効果を予測するバイオマーカー発見 補助化学療法における個別化医療を目指す

2016年6月14日
国立研究開発法人国立がん研究センター
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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本研究成果のポイント
 
●ACTN4高発現の肺腺がん患者さんで、
 術後補助化学療法の恩恵が大きい
 可能性を示唆
 
 ACTN4の発現の高低により患者群を
 分け補助化学療法実施の有無を比較した
 ところ、予後に大きな違いがある
 可能性を認めました。
 
●ACTN4の肺腺がんでの潜在的転移能を
 評価するバイオマーカーとしての
 可能性を示唆
 
 ACTN4の発現を減弱させた
 肺腺がん細胞株は、抑えていない
 対照細胞株に比較して明らかに肺への
 転移活性が抑制されました。
 
 
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 国立研究開発法人国立がん研究センター
は、肺腺がんの手術後の転移のリスクを
低下させる目的で行われる補助化学療法の
効果予測のためのバイオマーカーとして、
ACTN4の有用性を報告しました。
 
 肺腺がんは、男性の肺がん全体の40%、
女性の肺がん全体の70%以上を占めて
います。
 
 治療上の分類では、非小細胞肺がんに
分類され、IB期~IIIA期では、手術後に
補助化学療法を行うことが標準治療として
推奨されています。
 
 しかし、全ての患者さんで効果が
認められるものではないことや、
重篤な副作用が発生することもあること
から高齢者や全身状態が適さない場合など
は、実施するか否かの判断が難しく、
治療を望まない患者さんも少なく
ありません。
 
 本研究は、転移の可能性と治療効果を
予測し、補助化学療法の必要な患者さんに
対し適切に治療が行われることを目指して
行われた研究です。
 
 本研究成果により、ACTN4の発現の高い
肺腺がんの患者さんは、手術後の転移の
可能性が高く、補助化学療法の効果も高い
可能性が示唆されました。
 
 今後、ACTN4を転移のリスクと
補助化学療法の効果を予測する
バイオマーカーとして活用できることが
期待されます。
 
 研究グループでは、手術検体から
ACTN4タンパク質と遺伝子増幅を検出する
キットを開発中で、体外診断薬としての
承認を目指してまいります。
 
 本研究成果は、同研究所 創薬臨床研究
分野の本田一文ユニット長の研究グループ
とAbnova社(台北市、
社長:Wilber Huang氏)の共同研究で
米国科学誌Oncotarget(オンコターゲット)
に掲載されました。
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 ACTN4は補助化学療法の効果を予測する
良いバイオマーカーになりそうですね。
 
 
>本研究成果により、ACTN4を利用した
>バイオマーカーで補助化学療法を
>必要とする患者さんを絞り込める
>可能性が出てきました。
 
>しかしながら、今回の報告は
>カナダがん研究所の前向き臨床研究の
>公開情報を用いて、後方視的に
>サブグループ解析を行った結果です。
 
>この結果だけでは、臨床的な証拠に
>するには十分ではありません。
 
>現在、ACTN4の遺伝子増幅と
>タンパク質発現を手術検体で確認する
>ための検査キットを作成中で、
>今後は検査キットの体外診断薬化を
>目指し、補助化学療法における
>個別化医療の開発を行いたいと
>思います。
 
 上記検査キットを用いた検証で
有効なバイオマーカーと特定出来
個別化医療が実現出来ると良いですね。
 
 期待しています。

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