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2016年7月11日 (月)

経口AMPA受容体拮抗剤による筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療法確立 ~孤発性ALS分子病態モデルマウスへの長期投与試験~

2016/6/29
東京大学プレスリリース
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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発表のポイント
 
◆死に至る難病であり、有効な治療法が
 なかった筋萎縮性側索硬化症
 (ALS、注1)の発症原因に根ざした
 新規治療法の開発に成功した。
 
◆分子病態モデルマウスに既存の
 抗てんかん薬である高選択非競合
 AMPA 受容体拮抗剤ペランパネル
 (製品名「フィコンパ(注2)」)を
 90 日間連続経口投与し、
 細胞死の原因になっている異常な
 カルシウム流入を軽減することにより、
 ALS に疾患特異的な TDP-43病理を伴う
 神経細胞死を抑制する治療に成功した。
 
◆臨床的薬用量での有効性が得られたこと
 からも ALS 患者の大多数を占める
 孤発性 ALS の特異的な治療法としての
 早期実現が期待される。
 
 
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発表概要
 
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は
主に中高年に発症する、進行性の筋力低下
や筋萎縮を特徴とし、健康人を数年の内に
呼吸筋麻痺により死に至らしめる神経難病
で、この経過を遅らせる有効な治療法は
ありません。
 
 これまで、国際医療福祉大学臨床医学
研究センター 郭伸特任教授
(東京大学大学院医学系研究科 講師)
らの研究グループは、ADAR2 という酵素
(注3)が低下することで、過剰な
細胞内カルシウム流入を引き起こすこと
により ALS の大多数を占める遺伝性
のない孤発性 ALS の運動ニューロン死に
関与していることを突き止めていました。
 
 今回、郭伸特任教授と東京大学大学院
医学系研究科赤松恵特任研究員らの
研究グループは、この過剰なカルシウム流入
を抑える作用が期待される、
既存の抗てんかん薬であるペランパネル
(製品名「フィコンパ」エーザイ株式会社)
を ALS モデルマウスに 90 日間連続で
経口投与したところ運動機能低下の進行、
及びその原因となる運動ニューロンの
変性脱落が食い止められ、
しかも、運動ニューロンで引き起こされて
いる ALS に特異的な TDP-43 タンパクの
細胞内局在の異常(TDP-43 病理)が
回復・正常化しました。
 
 また、発症前のみならず発症後に
投与した場合でも、運動ニューロン死
による症状の進行が抑えられました。
 
 モデルマウスでの結果ではありますが、
ペランパネルは既に承認されている
てんかん治療薬であり、ヒトに換算した
場合にてんかん治療に要する用量以下で
マウスに有効性が確認出来たことから、
臨床応用へのハードルも低いと考えられ、
ALS の特異的治療法になるものと
期待されます。
 
 以上の成果は、「Scientific Reports」
(6 月 28 日オンライン版)に
掲載されます。
 
 なお、本研究は一般財団法人日本 ALS
協会の「IBC グラント」研究奨励金、
および公益財団法人難病医学研究財団
研究奨励助成金、日本医療研究開発機構
(AMED)の支援を受けて行われました。
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 素晴らしい。
 
 発表のポイントを参照してください。
 
>モデルマウスでの結果ではありますが、
>ペランパネルは既に承認されている
>てんかん治療薬であり、ヒトに換算した
>場合にてんかん治療に要する用量以下で
>マウスに有効性が確認出来たことから、
>臨床応用へのハードルも低いと考えられ、
>ALS の特異的治療法になるものと
>期待されます。
 
 大いに期待したい。

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