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2016年7月 3日 (日)

燃えにくい電解液を用いた高性能4.6 Vリチウムイオン電池

2016.06.29
東京大学
物質・材料研究機構 (NIMS)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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概要
 
 電気を蓄え、必要なときに取り出すこと
のできる二次電池は、自然エネルギーの
有効利用や電気自動車の普及に基づく
低炭素社会の実現に向けた中核技術の一つ
である。
 
 現在最も優れた二次電池は
リチウムイオン電池であるが、
更なる高密度エネルギー貯蔵
(小型・軽量化) のため、現在の3.7 V
から5 V級への高電圧化の要請が
強まっている。
 
 そのため、高い電圧を発生する
電極材料の研究が活発に行われ、
さまざまな5 V級正極材料が提案されて
きた。
 
 しかし、既存の有機電解液を用いると、
高電圧ゆえの副反応が継続的に起こること
が問題になっている。
 
 これまで、添加剤の使用など、
既存電解液をベースとしたさまざまな
改良が行われてきたが、未だ安定な
充電・放電反応を実現するには至って
いない。
 
 加えて、既存の有機電解液は
可燃性の有機溶媒を使用しているため、
高電圧作動における安全性の確保も
課題となっている。
 
 従って、既存電解液の延長線上には
ない、革新的な電解液の開発が急務と
なっていた。
 
 東京大学大学院工学系研究科の
山田淳夫教授と山田裕貴助教らの
グループは、
国立研究開発法人物質・材料研究機構の
館山佳尚グループリーダー、
国立研究開発法人科学技術振興機構の
袖山慶太郎さきがけ研究員らとの
共同研究により、リチウムイオン電池の
高電圧作動を可能にする新規な
難燃性電解液を開発した。
 
 この電解液は、2014年に発表した
“濃い”電解液 (高濃度電解液) の概念
に基づき新たに設計されたものであり、
リチウムイオンの濃度を極限まで高める
ことによって、リチウムイオン、
アニオン (マイナスイオン) 、
有機溶媒分子が相互に結び付いた
ネットワーク構造を有していることが、
国立研究開発法人理化学研究所の
スーパーコンピュータ「京」を用いた
シミュレーションにより明らかとなった。
 
 この特殊な溶液構造により、
有機溶媒に起因する燃焼性が格段に低下
するとともに、高電圧作動時に発生する
副反応を抑制することができ、
既存電解液では不可能であった
平均電圧4.6 Vのリチウムイオン電池の
安定作動に成功した。
 
 新開発の難燃性電解液により達成された
高電圧作動により、高密度かつ高安全の
エネルギー貯蔵が可能となり、
長距離走行が可能な電気自動車の開発など
に大きく貢献すると期待される。
 
 この研究成果は、2016年6月29日付けの
Nature Communicationsに掲載される。
 
 なお、本研究成果の一部は、
日本学術振興会科学研究費補助金特別推進
研究 (No. 15H05701) 及び
若手研究 (A) (No. 26708030) による
支援を受けて行われた。
 
 
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 良いですね。
 
 
>本研究で見出した新規電解液系により、
>サイクル特性や負荷特性といった
>リチウムイオン電池の高い基本性能を
>維持しつつ、これまでトレードオフの
>関係となっていた高電圧化と高安全化が
>高度に両立できることが示された。
 
>既存の有機電解液に起因する発火の
>危険性が低下するとともに、
>作動電圧限界が撤廃され、
>既存の製造ラインもそのまま活用する
>ことができるため、高安全かつ高電圧の
>リチウムイオン電池の開発が現実性を
>伴って加速する。
 
>新規高濃度電解液が可能にする
>高電圧作動により、理論的限界に
>近づきつつあったリチウムイオン電池の
>貯蔵エネルギー量は、大幅な増加の余地
>が生まれる。
 素晴らしい。
 
 今後の実用化に期待したい。

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