ガラス湾曲を利用した微粒子分離-ナノメートルの隙間を制御して高精度な分離を実現-
2016年6月20日
理化学研究所
詳細は、リンクを参照して下さい。
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微粒子とは、ナノメートル
(nm、1nmは10億分の1m)から
数百マイクロメートル
(μm、1μmは100万分の1m)サイズの
微小な粒子です。
私たちは、印刷用トナー(約5μm)、
薬剤を詰めるためのマイクロカプセル
(数μm~数百μm)、
小麦粉(平均数十μm~100μmほど)、
花粉(スギは20~40μm)、
PM2.5(2.5μm以下)など、
多くの種類の微粒子に囲まれて生活を
しています。
微粒子の粒子径は、どのようにして
計測されるのでしょうか?
従来法では、比較的均一な大きさ、
組成、形状の試料にしか適用できない
という問題がありました。
理研の研究チームは、
今回、さまざまな粒子径の微粒子を
サイズごとに、一回で分離できる
装置の開発に取り組みました。
それは、ガラス基板と薄板ガラスを
貼り合わせて高さがnm~μmの
小さな隙間を作り、薄板ガラスを
湾曲させることで、その隙間の高さを
調整するというものです。
まず、ガラス基板にフッ化水素を
使ったエッチングによって、
深さ36nmの浅い流路を作り、
その上に厚さ90μmの薄板ガラスを
設置しました。
次に、ガラス基板と薄板ガラスの間に、
微粒子を分散させた液体を送液ポンプから
送るための細いガラス管を挟み込みました。
このとき、流路の長さは15mm、
出口の高さは36nm、入口の高さは
360μmでした。
そして、薄板ガラスの上に
220グラムの重りを載せて、薄板ガラスを
下向きに湾曲するようにしました。
すると、出口から装置内に向かって
流路の高さが緩やかになり、
この高さの変化を利用することにより
粒子径ごとに微粒子を高精度に
分離できることが示されました。
この装置の機能を検証するため、
粒子径が0.5、1.0、2.0μmの
ポリスチレン粒子を分散させた液体を
装置に送り込み、ガラス基板の下から
顕微鏡で観察しました。
すると、粒子径が同じ粒子は同じ高さの
流路位置で移動を停止し、
粒子径に応じて一列に並ぶ様子を
観察できました(図a参照)。
また、ヒト白血球細胞と
マウス胚性幹細胞の測定をしたところ、
装置での計測時と通常の顕微鏡観察時で
近い値を示し、軟らかい微粒子の場合でも
粒子径が正確に測定できることを
実証しました(図b参照)。
これは、送液ポンプの圧力調整が
容易に行えるためです。
今後、本成果は、nm~μmレベルで
ガラスを微細加工する技術への応用が
考えられます。
また、軟らかい粒子の測定にも
使えるため、細胞小器官や細胞からの
分泌物などの微小構造体の分離や
解析への応用が期待できます。
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なかなか面白い方法ですね。
>軟らかい粒子の測定にも使えるため、
>細胞小器官や細胞からの分泌物などの
>微小構造体の分離や解析への応用が
>期待できます。
今後の展開に期待します。
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