「ちきゅう」の断層掘削試料の分析と動力学解析による南海トラフ地震での断層すべり量の定量的評価
2016年6月20日 大阪大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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研究成果のポイント
・地球深部探査船「ちきゅう」(図1)
により採取された日本海溝と南海トラフ
のプレート境界断層試料を分析、
モデル計算の結果、2011年東北地方
太平洋沖地震での海溝付近の
巨大すべり約80mを再現、
さらに南海トラフ地震にて海溝付近の
断層が、約30-50m程度すべる可能性を
示した
・日本海溝の泥質な断層では透水率が
低いため、南海トラフの砂質な断層では
摩擦係数が高く温度上昇しやすいため、
サーマルプレッシャライゼーション※1
が強く機能し大きくすべることを、
初めて定量的に評価
・今後、地震を引き起こす“巣”を
より深く掘削し、断層試料の
分析・モデル計算により、
深部固着域(地震の巣)の断層すべりの
規模をより正確に評価できることが期待
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リリース概要
大阪大学大学院理学研究科の
廣野哲朗准教授、
清水建設技術研究所の
津田健一博士、
国立研究開発法人海洋研究開発機構
高知コア研究所の
谷川亘博士、
カリフォルニア工科大学の
Jean-Paul Ampuero教授、
建築研究所の芝崎文一郎博士、
東京大学地震研究所の木下正高教授、
京都大学防災研究所のJames J. Mori教授
の研究グループは、
統合国際深海掘削計画(IODP)※2
における、地球深部探査船「ちきゅう」の
研究航海で得られた断層掘削試料を用いて、
断層の鉱物組成と各種物理特性(摩擦係数、
透水率、熱重量変化など)を分析し、
海溝付近の断層のすべり量を解析しました。
まず東日本大震災を引き起こした
日本海溝のプレート境界断層の試料を
分析・解析した結果、同震災で観測された
すべり量とほぼ同じ、約80mの巨大すべり
が再現され、本解析手法の有効性を
確認しました。
その解析方法で南海トラフの断層試料を
解析した結果、海溝付近のすべり量は
約30-50m程度になる可能性が、
世界で初めて明らかになりました。
これまで、断層試料の分析結果から、
地震時に断層がどの程度滑るのかを
定量的に予測することは不可能でしたが、
今後、地球深部探査船でより深く掘削し、
採取した断層試料を本手法で解析すること
で、将来の発生が危惧される
南海トラフ地震時の深部固着域
(地震の巣)の断層すべりの規模を
より正確に評価できることが期待されます。
本研究成果は、英国Nature Publishing
Groupの「Scientific Reports」に、
日本時間6月20日(月)18時に
オンライン公開されま
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「定量的に断層すべりの規模を
評価出来るようになった」というのは
素晴らしいこと。
>本研究により、世界で初めて、
>断層掘削試料から地震時の海溝付近の
>すべり量を評価する解析方法を
>確立することができました。
>今後、地球深部探査船「ちきゅう」で
>地震の“巣”のより深部の掘削調査を
>実施し、本メソッドを適応すること
>によって、将来の発生が危惧される
>南海トラフ地震時の深部固着域
>(地震の巣)の断層すべりの規模を
>より正確に評価可能になることが
>期待されます。
期待したい。
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