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2016年6月16日 (木)

骨が免疫力を高める~感染から体を守るためには骨を作る細胞が重要~

平成28年6月15日
東京大学
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
・炎症によって骨髄内の骨芽細胞が
 障害を受けることが、敗血症後に
 生じる免疫細胞数減少の要因である
 ことが判明しました。
 
・敗血症では炎症反応により骨芽細胞が
 障害を受けるため、サイトカイン
 の一つであるインターロイキン7
 (IL-7)の量が減少し、
 リンパ球の産生が減ることで、
 免疫力が低下した状態に陥ることが
 分かりました。
 
・免疫力を高めるための、骨芽細胞を
 標的とした新しい治療法開発の可能性
 を提示しました。
 
 
-----
 敗血症は細菌感染により引き起こされる
全身に及ぶ炎症状態です。
 
 発症早期には体を守るために免疫細胞
から炎症性サイトカイン注1)が
大量に放出されますが、
その時期を過ぎると新たな感染症に
かかりやすくなります。
 
 その原因として、末梢血中の一部の
免疫細胞が減少するため免疫力低下
により感染しやすい状態が長期間続くこと
が考えられます。
 
 従って、発症早期の治療に加えて、
発症後の免疫力低下のメカニズムを解明し、
新たな治療法を開発することで、
生存率の大幅な改善が期待できます。
 
 このたび、東京大学 大学院医学系研究科
病因・病理学専攻 免疫学分野の
寺島 明日香 研究員(当時)と、
岡本 一男 助教(当時)、
高柳 広 教授らの研究グループは、
敗血症のモデルマウスを用いて、
急性炎症反応によって免疫抑制状態が
生じるメカニズムを検討しました。
 
 その結果、敗血症モデルマウスでは
急激に骨量が減少しており、
骨髄におけるリンパ球注2)の初期分化が
障害されていることを見出しました。
 
 骨を作る役割を持つ骨芽細胞注3)は、
免疫細胞分化に重要なサイトカイン
IL-7(インターロイキン7)注4)を
産生し、T細胞やB細胞のもととなる
リンパ球共通前駆細胞注5)を維持する
ことが分かりました。
 
 敗血症では、感染症の防御に重要な
リンパ球を維持する骨芽細胞が減少する
ため、免疫力低下につながると
考えられます。
 
 本研究は日本学術振興会 科学研究費
補助金、科学技術振興機構(JST)
戦略的創造研究推進事業
「高柳オステオネットワークプロジェクト」
(研究総括:高柳 広)などの一環で
行われました。
 
 本研究成果は2016年6月14日
(米国東部夏時間)に国際科学誌
「Immunity」オンライン版で
公開されます。
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 骨芽細胞ってリンパ球の維持に重要な
細胞なんですね。
 
 
>本研究により、マウスの敗血症発症後の
>免疫抑制の原因の一つは、全身性炎症
>による骨芽細胞の消失が引き起こす
>リンパ球共通前駆細胞数減少であること
>が明らかとなりました。
 
>従来の発症早期の治療法と併せて、
>骨芽細胞を標的として発症後期の
>免疫力低下のコントロールを目指す
>新しい治療法開発の可能性を
>提示しました。
 
 敗血症の治療にとって有力な発見
ですね。期待したい。

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