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2016年6月27日 (月)

人工知能による新しい医療 -IBMワトソン・サミット2016@東京-

2016年05月28日
Neurology 興味を持った「神経内科」論文
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 人工知能(AI)やその医療応用に関心が
あり,5月25~26日に開催された
「IBMワトソン・サミット2016」に
参加した.
 
 近未来,医療は大きく変わることを
実感させられる会であった.
 
 もっとも進歩が見込まれる領域は,
ガンに対するゲノム医療だろう.
 
 東京大学医科学研究所の宮野悟教授の
ご講演は示唆に富むものであった.
 
 まず宮野教授は,ガン研究は急速な進歩
のため,医療従事者が追いつくことが
できず,臨床的に困難な状況に陥っている
ことを以下のように指摘された.
 
1)関連論文の指数関数的増大・・・
  ガン領域だけで2014年に20万の論文が
  報告され,フォロー困難な状況に
  なっている
  (膨大な電子化知識の氾濫).
 
2)シークエンスデータの爆発的増加・・
  シリコン・シークエンサーが登場
  すれば,全ゲノムは100ドル,1時間で
  読めてしまう時代に突入する.
  パーソナルゲノム医療(★)が
  現実化する.
 
3)ガン・ゲノム研究の進歩・・
  従来,蛋白をコードしている
  全ゲノムの1.5%程度しか調べて
  なかったことに加え,
  タンパクをコードしていない
  ノンコーディングRNAにも役割がある
  ことが明らかになった.
 
4)ガン遺伝子の多様性の発見・・・
  一個人の同じガン組織のなかでも
  想像を越える多様性があること,
  遺伝子も生涯不変という常識は
  否定され,加齢とともに変異
  が蓄積し変化していることが
  明らかになった.
 
 Watsonが学習した膨大なデータの
使いみちは以下のようになる.
 
 まずパーソナルゲノム情報を調べると,
遺伝子変異が続々出てくる.
 
 これをどう解釈し,どう治療方針に
活かすか,つまり「副作用のない
ベストフィットな治療をいかに決定するか」
が現在の医療,人間の力では難しい.
 
 これをワトソン
(Watson Genomic analytics)にやらせる
わけだ.
 
 パーソナルゲノムデータから,
ガンの原因となっている遺伝子の候補を
寄与度の高い順にリストアップし,
治療標的となる遺伝子変異と分子標的薬の
候補が示される.
 
 そして「エビデンスボタン」を押すと,
その治療方針の根拠が示される.
 
 かつてインターネットでMEDLINEに
キーワードを入力し,論文リストが
表示された時の衝撃以上のインパクトを
感じる.
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 もうこんな時代になったのだと思う。
 
 日本も早急に人工知能の導入が必要に
なるだろう.
 そうでなければ高額な分子標的薬により
医療制度は破綻してしまうものと
思われる.
 同感です。
 
 今後の医療界の動きに注目です。

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