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2016年5月11日 (水)

免疫細胞が敗血症の発症を促進する“常識”を覆す新発見

2016年5月9日
国立大学法人筑波大学
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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研究成果のポイント
 
○細菌感染の防御役として知られてきた
 辺縁帯B細胞が、敗血症ではその病態を
 悪化させることを世界で初めて
 発見しました。
 
○辺縁帯B細胞から産生される
 インターロイキン6が敗血症の発症を
 促進する因子であることを
 発見しました。
 
○インターロイキン6の働きを阻害する
 抗体を投与することによって、
 敗血症による死亡率が顕著に
 改善しました。
 今後、敗血症治療への応用が
 期待されます。
 
 
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 国立大学法人筑波大学医学医療系
・生命領域学際研究センター
渋谷彰教授、本多伸一郎研究員らは、
東京大学医科学研究所 三宅健介教授と
共同で、敗血症の発症を促進する
新しい免疫細胞を世界で初めて
発見しました。
 
 敗血症は、細菌による感染を
発端として、細菌が産生する毒素が
全身に広がり、多臓器不全、血圧低下、
ショックなどの症状を引き起こす
重篤な全身疾患です。
 
 腹膜炎や肺炎、術後感染などを
原因とする敗血症の発症数は
世界的に増えつつあり、その死亡率は
非常に高く、新たな治療法が望まれる
重要な疾患です。
 
 辺縁帯B細胞は、脾臓の辺縁帯(注1)に
存在する特殊なB細胞(注2)であり、
これまで抗体を産生することによって、
血液中 に侵入した細菌からの感染防御に
働く細胞として知られていました。
 
 本研究では、そうした常識とは反対に、
敗血症においては、辺縁帯B細胞が
その発症を促進させる細胞であることを
発見しました。
 
 さらにはその際、辺縁帯B細胞から
産生されるインターロイキン6(IL-6)
(注3)が、敗血症の発症を促進する
因子であることを発見しました。
 
 そこで、IL-6の働きを阻害する抗体を
投与したところ、敗血症による死亡率を
顕著に減少させることに成功しました。
 
 今後、ヒトの敗血症の治療への応用が
期待されます。
 
*本研究成果は、英国時間の
2016年5月5日午前10時
(日本時間5月5日午後5時)付で
英国科学誌「Nature Communications」に
オンライン公開されました。
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>これまで細菌感染に対して防御すると
>考えられてきた辺縁帯B細胞が、
>IL-6の産生を介して、
>敗血症を悪化させることを
>初めて明らかにしました。
 驚くべき内容ですね。
 
 
>細菌の種類や、敗血症になるほどの
>量によっては、その働きが異なること
>を示唆しているものと推察されます。
 
>本研究ではさらに、IL-6の機能を
>阻害する抗体が、敗血症を誘導した
>マウスの生存率を顕著に改善することを
>初めて示しました。
 
>今後は、ヒトの敗血症でも辺縁帯B細胞
>が同様な働きを示し、
>IL-6の機能を阻害する抗体が
>有効であることを明らかにしていく
>ことが必要です。
 
 これからの進展に期待します。

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