地上波ディジタル放送波から高効率に発電する回路を開発。大学院生が無線電力伝送の代表的な国際学会で学生論文賞第三位受賞。
2016/5/12 金沢工業大学
詳細は、リンクを参照して下さい。
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金沢工業大学 大学院電気電子工学専攻
博士前期課程1年生の古田貴大さん
(伊東健治研究室)が2016年5月5日(木)
から6日の2日間、
ポルトガル・アヴェイロで開催された
無線電力伝送に関する
IEEE(米国電気電子学会)
Microwave Theory and Techniques-Society
(MTT-S、マイクロ波技術ソサエティ)
主催の国際学会Wireless Power
TransferConference2016より
学生論文賞である「Student Paper Award」
の第三位を受賞しました。
東京スカイツリーから出される
地上波ディジタル放送の電波を用い、
広範な地域で電源供給する技術を
低コストでかつ世界トップレベルの
発電効率で実現したことが評価された
ものです。
「Wireless power transfer
conference」は無線電力伝送に関する
代表的な国際学会で、2016年は一般、
学生を含む150件の論文の投稿があり、
うち採択された論文は世界21カ国97件
(採択率64.7%)でした。
そのなかで古田さんの論文は口頭発表
として選ばれた31件(採択率20.7%)の
1つです。
無線電力伝送は太陽光発電衛星から
地上への送電や電気自動車の
ワイヤレス給電などを可能とする
今一番ホットな研究分野で、
世界中の研究者が実現にむけた研究開発に
しのぎを削っています。
近年、この技術を応用した
「エネルギー・ハーベスティング技術」の
研究が進められています。
これは放送や携帯電話の微弱な電波を
利用し直流電圧を発電する技術で、
電源や電池を用いることなく、
様々な場所に電子機器を設けることが
出来るようになります。
そのため、様々な監視用センサーへの
応用が想定されています。
古田さんの研究は500MHz帯の
地上波ディジタル放送の電波を用い、
直流を発電する高周波の整流回路の
高効率化に関するものです。
新たなアンテナや回路方式により、
微弱な1μWの放送波からの発電効率
として世界トップレベルの8.7%を
実現したものです。
この開発した整流回路の有効性を
確認するために、古田さんは東京地区での
実証実験を行い、東京スカイツリーから
25km離れた地点での発電を確認しました。
この25kmの距離は、東京スカイツリー
から東京23区をカバーするための距離です。
アンテナや回路の新しいアイデア
に加え、東京での有効性の実証を示した
ことにより、本発表は学会参加者から
注目を集めました。
今回のWPTC2016では日本から22件の論文
が採択されましたが、一般・学生への
論文賞(全6件)の受賞機関は
金沢工業大学だけでした。
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素晴らしいですね。
>新たなアンテナや回路方式により、
>微弱な1μWの放送波からの発電効率
>として世界トップレベルの8.7%を
>実現したものです。
こういう簡単に見える技術は
研究し尽くされていると思っていた
のですが、
このことを励みに研究に邁進して
ください。おめでとうございます。
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