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2016年5月13日 (金)

[プレスリリース]がんになりにくい長寿ハダカデバネズミから初めてiPS細胞作製に成功~二重の防御で腫瘍を作らないことを発見~

2016/05/10
北海道大学
慶應義塾大学
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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研究成果のポイント
 
・長寿命で、がんになりにくい体質の
 ハダカデバネズミからiPS細胞を
 作製することに初めて成功した。
 
・マウスやヒトのiPS細胞は、
 未分化な細胞が混入すると
 腫瘍(奇形腫)を形成する問題がある
 が、ハダカデバネズミのiPS細胞は
 未分化な状態で移植しても腫瘍を
 形成しなかった。
 
・ハダカデバネズミだけが持つ、
 初期化やがん化を二重に防ぐメカニズム
 を明らかにした。
 将来は、人間の健康長寿やがんの予防に
 役立つと期待される。
 
 
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 北海道大学遺伝子病制御研究所の
三浦恭子講師、慶應義塾大学医学部
生理学教室の岡野栄之教授らの
研究グループは、約30年の長寿命で、
がんになりにくい体質の
「ハダカデバネズミ」から
iPS細胞を作製することに世界で初めて
成功しました。
 
 マウスやヒトなど他の動物のiPS細胞は、
生体に移植する際に未分化な細胞が
混入すると腫瘍(奇形腫)を形成する
問題がありますが、
ハダカデバネズミiPS細胞は
未分化な状態で移植されても
腫瘍を形成しませんでした。
 
 本研究グループは、
ハダカデバネズミiPS細胞が、
がん抑制遺伝子ARFの活性化と、
がん遺伝子ERASの機能欠失によって
腫瘍を形成しないことを明らかにしました。
 
 さらに、iPS細胞の作製過程に
着目した解析から、ARFが不活性化
された場合には、ハダカデバネズミ特有の
がん化抑制メカニズムASIS
(ARF suppression-induced senescence)
により、細胞の増殖を止めて、
iPS細胞化を防ぐことを見いだしました。
 
 また、マウスiPS細胞で、ARFを活性化
させると、腫瘍形成が強く抑制されること
が分かりました。
 
 この発見は今後、人間の健康長寿や
がんの予防に役立つと期待されます。
 
 本研究成果は、2016年5月10日
(英国時間)に英国科学誌
「ネイチャー・コミュニケーションズ」
オンライン版で公開されました。
 
 なお、本研究は、科学技術振興機構
(JST)戦略的創造研究推進事業、
内閣府/日本学術振興会最先端研究開発
支援プログラム(FIRST)、
文部科学省科学研究費補助金、
文部科学省新学術領域研究の一環で
実施されました。
 
プレスリリース全文は、以下を
ご覧ください。
 
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 ハダカデバネズミって長寿命で、
がんになりにくい体質なんですね。
 
>マウスiPS細胞で、ARFを活性化させると、
>腫瘍形成が強く抑制されることが
>分かりました。
>この発見は今後、人間の健康長寿や
>がんの予防に役立つと期待されます。
 
 おおいに期待したい。

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