悪性腫瘍の増殖と薬剤耐性に関わるタンパク質のユニークな構造を世界で初めて解明
平成28年3月18日
慶應義塾大学 医学部
日本医療研究開発機構(AMED)
科学技術振興機構(JST)
詳細は、リンクを参照して下さい。
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慶應義塾大学 医学部医化学教室の
加部 泰明 講師と末松 誠 教授
(当時。現AMED理事長)らの
研究グループは、難治性がんを含む
多くの悪性腫瘍で高発現している
膜結合性ヘム注1)タンパク質である
PGRMC1の構造を解明することで、
がん細胞が増殖を活性化する仕組みと、
抗がん剤に対する耐性を獲得する
メカニズムを世界で初めて
明らかにしました。
PGRMC1はがん細胞の増殖に
関与すると考えられていましたが、
その機能の詳細は不明でした。
本研究グループは、X線結晶構造解析
注2)を行いPGRMC1の詳細な
分子構造を解析することで、
このタンパク質が持つ特異な構造と、
がん細胞を悪化させる仕組みを
解明しました。
現在、種々のがん増殖機能を
標的とした抗がん剤の開発は急速に
進んでいますが、PGPMC1に結合して
その機能を阻害する化合物が見つかれば、
抗がん剤の開発が大きく前進すると
期待できます。
本研究は、京都大学、大阪大学、
北海道大学、
(公財)サントリー生命科学財団との
共同研究により、JST戦略的創造研究
推進事業として推進された後、
AMED 革新的先端研究開発支援事業に
引き継がれて行われました。
本研究成果は、2016年3月18日
(米国東部時間)に英国科学誌
「Nature Communications」の
オンライン速報版で公開されます。
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素晴らしいです。
>PGRMC1に結合してその機能を
>阻害する化合物が見つかれば
>新たな抗がん剤の開発につながる
>可能性があります。
PGRMC1に結合してその機能を
阻害する化合物。
見つかると良いですね。
期待したい。
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