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2016年4月15日 (金)

高度な脱塩機能を発現するナノ構造制御カーボンの水分離膜をドライプロセスで合成することに成功~窒素ドープ(添加)によって分離機能が向上~

平成28年4月8日
信州大学 アクア・イノベーション拠点
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○新規な膜形成手法(ドライプロセス)
 によって、従来の
 Diamond-Like
 Carbon(DLC)膜より柔らかい
 炭素ベースの水分離膜を新たに開発し、
 最大96%という高い脱塩性能を達成。
 
 添加する窒素の量を調整することにより、
 脱塩性、透水性、耐塩素性を最適化
 できることを見出しました。
 
○コンピューターのシミュレーションでも
 その有効性を確認しており、
 資源開発など厳しい条件下での
 水処理膜の実用化が期待できます。
 
○本研究成果は、英科学誌Nature系
 の専門誌「NPG Asia
 Materials*」に掲載されます
(2016年4月1日付で電子版が
 公開されました)。
 
 
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 ダイヤモンド構造と炭素構造が
ハイブリッド化したアモルファス
(非晶質)のナノカーボン膜
(Diamond-Like
 Carbon:DLC)は現在、
ハードディスク表面や工具類、
ペットボトルなどのコーティング材
として広範な用途で用いられております。
 
 今回、信州大学 COI拠点の
研究グループでは、従来のDLC膜を
ベースに、ナノ構造を巧みに
かつ最適に制御することで、
高度な水処理に使用できる
ナノカーボン製の水分離膜を
開発しました
 
 具体的には、スパッタ法注1)により、
ターゲットの高純度カーボンに
プラズマ化したアルゴン、窒素、
メタンを衝突させることで
カーボンなどの分子を弾き出し、
多孔性高分子膜
(ポリサルフォン/PSU)の基材上に
付着・堆積させることで、
厚さ20-30nmのナノカーボン膜を
形成します。
 
 添加する窒素量の原子レベルでの
制御により、脱塩性、透水性、耐塩素性を
最適化でき、さらに窒素ドープ量を増やす
ことで最大96%という
高いNaCl除去率を示すことを
見出しました。
 
 本成果は、石油や非在来型資源開発など
厳しい条件下での水処理膜の応用展開が
期待されます。
 
 今回の開発したナノカーボン水分離膜は、
多孔性高分子膜(PSU)の
基材上に成膜されています(図1)。
 
 すなわち、多孔性高分子膜の基材上に、
犠牲層
(ポリビニルピロリドン/PVP)を
コーティングし、
その上からスパッタ法にて
ナノカーボン分離膜を成膜し、
その後コーティング層を溶かす
プロセスにより調製しています。
 
 この方法で、多孔質高分子基材上に
ナノカーボン分離膜が均一に成膜できる
ことは、SEM(走査型電子顕微鏡)
およびAFM(原子間力顕微鏡)
の画像で確認しました(図2)。
 
 得られたナノカーボン分離膜は、
従来のDLC膜よりも柔らかく、
透水性および脱塩特性を評価した結果、
0.2%のNaCl水溶液から
最大で96%という高いNaCl除去率を
示すことが確認されました※1)
(図3a)。
 
 また、殊に添加する窒素ドープ量を
制御することにより、脱塩性、透水性、
耐塩素性などの特性が最適となる条件を
明らかにしました※2)(図3b)。
 
 さらに、本拠点で導入した
スーパーコンピューターを用いた
シミュレーションで、
アモルファスカーボン(a-C)の
窒素ドープ量の違いによる
ナノ構造モデルを示しました※3)
(図4)。
 
 本結果より、a-C中の窒素ドープ量を
増やすこと事により、
膜中の空隙が減少しており、
これが脱塩性、透水性向上に関係している
ことが確認されました。
 
 なお、本論文に関する特許は
申請済みです。
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 良さそうですね。
 
>今回の方法で開発されたカーボン膜は、
>高い脱塩特性と透水性、ロバスト性を
>併せ持っており、資源開発など
>厳しい条件下の水処理膜の実用化に
>寄与できることが期待されます。
 
>今後、さらに膜の性能を向上させて
>次世代の革新的な水分離膜に仕立て、
>脱塩モジュールの完成(モジュール化)、
>プラントにおける全体最適(システム化)
>を経て、「地球上の誰もが十分な水を
>手に入れられる社会」を実現すべく、
>産学官の連携により世界各地への
>社会実装を推進していきます。
 
 なかなか壮大な話しですが、高価な
プラントでは経済の発達していない国
では導入は難しい。

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