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2016年4月 8日 (金)

腸内細菌の大腸組織侵入を防ぐメカニズムを解明~潰瘍性大腸炎の新たな治療薬開発に期待~

平成28年3月31日
大阪大学
日本医療研究開発機構(AMED)
科学技術振興機構(JST)
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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ポイント
 
○腸内細菌の侵入が腸管炎症を誘導
 するが、大腸がどのように細菌の侵入を
 抑制しているかは不明だった。
 
○腸管上皮細胞に発現する蛋白質Lypd8が
 腸内細菌の侵入を抑制し、腸管炎症を
 制御することを発見。
 
○現在根治的治療方法がない
 潰瘍性大腸炎の新たな治療法の開発に
 期待。
 
 
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 大阪大学 大学院医学系研究科
感染症・免疫学講座(免疫制御学)
/免疫学フロンティア研究センターの
奥村 龍 特任研究員、竹田 潔 教授らの
グループは、腸管上皮細胞に発現する
Lypd8注1)という蛋白質が
鞭毛注2)を持つ腸内細菌注3)
(有鞭毛細菌)の侵入を抑制し、
腸管炎症を抑えるメカニズムを
突き止めました。
 
 近年患者数が増加の一途をたどる
潰瘍性大腸炎注4)などの
炎症性腸疾患の原因の一つとして、
腸管上皮によって主に形成される
腸管粘膜バリア注5)の破綻が
考えられています。
 
 おびただしい数の腸内細菌が存在する
大腸においては粘膜バリアの一つである
粘液層注6)が厚く表面を覆っており、
腸内細菌が容易に大腸組織に侵入
できないことがわかっていますが、
どのように細菌の侵入を抑えているかは
よくわかっていませんでした。
 
 そこで、本研究では、大腸上皮細胞に
特異的に高く発現している
Lypd8遺伝子を欠損した
マウスを作製しました。
 
 野生型マウスでは腸管の内粘液層は
ほぼ無菌状態に保たれていますが、
Lypd8遺伝子欠損マウスでは、
内粘液層に腸内細菌が多数侵入し、
腸炎の実験モデルにおいては
野生型マウスと比較して重篤な腸炎を
発症することを見出しました。
 
 また、Lypd8は高度に糖鎖で
修飾されるGPIアンカー型蛋白質注7)
で、大腸管腔に分泌され、
特に鞭毛を持つ腸内細菌に結合し、
運動性を抑えることで細菌の侵入を
防止していることが明らかになりました。
 
 潰瘍性大腸炎は、現在根治的治療がなく、
発病原因のさらなる解明と新規治療開発が
急務とされています。
 
 今後、Lypd8蛋白質の補充療法
などの粘膜バリア増強による
潰瘍性大腸炎への新たな治療法の開発が
期待されます。
 
 本研究成果は、2016年3月30日
(水)18時(英国時間)に
英国科学誌「Nature」の
オンライン版で公開されます。
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>大腸がどのように細菌の侵入を
>抑制しているかは不明だった。
 そんなに調べることが困難だった
のかな~
 
 膨大な数の細菌が活動している場
だったから?
 
>現在根治的治療方法がない
>潰瘍性大腸炎の
>新たな治療法の開発に期待。
 だそうです。
 
 新たな治療法が開発されることに
期待します。
 
 こう言う治療法も出てきてますね。
2015年12月 7日
 
 期待しています。

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