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2016年4月21日 (木)

試験勉強には“効かない”イチョウ葉なのに……機能性表示食品の今

試験勉強には“効かない”イチョウ葉
なのに……機能性表示食品の今
2016年4月12日 foocom.net
 
詳細は、リンクを参照して下さい。
 
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 機能性の根拠は、関与成分についての
論文をデータベースで収集・精査する
「研究レビュー」であり、
根拠として採択されたのは論文1報。
 
 ブラジル人の60~70歳の男性を対象に
行われたもので、言葉や複雑な図形の
3分後の思いだし等で、
イチョウ葉エキスを摂取した群が
摂取していないプラセボ群に比べ
有意に優れ、脳の血流も有意に
高まっていることが示されたという内容だ。
 
 まさか、パッケージの表示が不十分で、
POPには大ウソが書いてあるなどとは
思わない。
 
 しかし、実際にはこんなことが起きて
いる。
 
 これが、機能性表示食品の制度が
始まって1年の現状だ。
 
 情報が公開されて、「消費者の誤認を
招かない、自主的かつ合理的な商品選択に
資する表示制度」のはずだった。
 
 しかし、ウェブサイトで公表されている
情報は、消費者にとってわかりやすくは
ない。
 
 届きやすいわけでもない。
 
 POP問題はさておき、パッケージに
表示されている機能性と、
根拠となる論文の内容との間に“ずれ”
がある、と思われる製品は、
ほかにもかなりの数ある。
 
 根拠とした論文が論じている成分と
製品に含まれる成分の同等性、
という観点で、問題のある製品もある。
 
 同じ名称の原材料であっても、
製造方法や規格が異なれば、
効き目や安全性はまったく異なる。
 
 プロなら当然の常識だ。
 
 しかし、品質管理等に詳しくない
消費者は、同じ名称であれば同じもの、
と思ってしまう。
 
 消費者は誤魔化されているのだ。
 
 そもそも、情報が公開されている
といっても、企業が作った情報を
公開しているのだから、恣意的でない、
という保証はない。
 
 しかも、成分の分析法等が公開されて
おらず、第三者が製品を科学的に
分析検証する術がない。
 
 制度が抱えるさまざまな問題については、
制度が始まった当初、本欄や特集欄で
指摘し、国立医薬品食品衛生研究所の
合田幸広・薬品部長も詳しく解説して
くださった。
 
 これらは、まったく解決されず、
制度から1年たってますます
悪質な事業者と製品が出てきている、
という印象を私は持っている。
 
 国立健康・栄養研究所の『「健康食品」
の安全性・有効性情報』
https://hfnet.nih.go.jpで、
イチョウを検索して読んでほしい。
 
 高齢者が対象であっても、
効かないとする研究結果が相当数ある
ことがわかる。
 
 また、米国のNational Institutes of
Health(国立衛生研究所)
・Office of Dietary Supplementsの
イチョウ葉のページからリンクされた
National Center for Complementary and
Integrative HealthやNational
toxicology Programのページは、
国の機関が出資して行った大規模試験で
効果を見いだせなかったことなどを
説明している。
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 多くの反する論文が出ているにも
関わらず、たった一つの、しかも、
当該会社が提出した論文のみで、
機能性食品と認められるとは?
 
 おかしくないですか?
 
 どうも日本のお役所は無責任な
気がして仕方がない。
 
 消費者が、その製品がどういうもので、
何を根拠に許可されたものであるかを、
きちんと調べないといけないようです。
 
 それは難しいですよね。
 
 認可する部署がきちんと消費者の
立場に立って、認可後の表示も含めて
監視して貰わないといつまでたっても
解決などしないと思う。
 
 現実はこんなもの、
>消費者は誤魔化されている

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